先日、後輩の、背中バキボキズというコンビの、パソ・コン太郎という芸人がお笑いを辞めました。
いわゆる自分と同じ「キャラもの」でした。

辞めるという心情を綴った、本人のブログです。是非、見てみてください。
http://bkbkz.laff.jp/blog/2013/03/post-b620.html

残念だ、悲しいというよりは、「正直に書くなあ」と思いましたw 格好つけてないんです。
最後のデータなんて、実に興味深かった。

こういう世界なんです。

辞めることは前から聞いていましたし、止めようとも思わなかった。そもそも売れてない先輩から止められたところで何の説得力もないですしね。
芸人が自主的に解散、辞めることに関して、残念だと思ったことは一度もないです。本当、稼げないですから。
いつまでも夢を見続けて周りに迷惑かけるよりは、社会や家族のために尽くす方が偉いに決まってます。

途中に出てくる、「先日の最後のライブ」、実は一緒だったんですよ。確かにダメだったなあw
5年も先輩なのに、同じちょい役として呼ばれた自分もどうかと思いますが。実は好きなんですよ、ちょい役w

「人付き合いが苦手」、同類の僕が言うのもなんですが、確かに何か後輩っぽくなかったです。ちょっとだけなめてる感じとか、そこが個人的には、かえって人間味があって好きでした。パソコンのくせに。
7〜8回飯に行ったか行ってないかくらいのものだったかなあ。次会っても奢んなきゃいけないのかなあ。

彼もそうなんですが、社会人を経験した芸人の多くは、よく言えば冷静、悪く言えば冷めている。
売れてない若手によくある、青春ノリがない。ノリでやってないので「仕事として向いているかどうか」という問題に向き合える。
何かを捨ててこの世界に来たわけです。芸人という肩書きにステータスなど感じていないし、青春もクソもないです。

そこでさらに芸人を辞める、という行為は、一度捨てた自分をさらに否定して、また元に戻らなくてはいけないのです。残酷ですよね。

もちろん、芸人をやっていた経験が生かされることも多々あるでしょうし、月20万かそこらの収入が、こんなに素晴らしいものかと再認識させられることでしょうw

僕だって7〜8年前までは、ちょっと離れた所だけど3DKくらいの部屋に住んで、軽自動車だけど自分の車があって、盆休みに海外旅行に行けたわけです。
それでも何か、空虚だった。何度か言われました、「普通の幸せに慣れろ」と。で、逃げるようにこっちの世界に迷い込んできたのです。

今は楽しいです。ネットの鬱陶しいやつも、たまに出くわす鬱陶しい業界人も、毎日会社で顔を合わせる鬱陶しい上司に比べれば屁でもないと思います。

ボードゲームの箱を開けたら1000コくらい駒が入っていて、そこから使いたいものを10コ選んでくださいと言われれば、何となく手に取りやすいもの、色の綺麗なものなんかを選ぶのは当たり前です。
急に変な例えを出してしまいましたが、その他大勢の若手芸人なんてそんなものです。
みんな、華やかなボードの上に自分の駒が置かれることを夢見て自ら、箱の中に入ってきたのです。

芸のない芸人、何も作らない作家は溢れています。毎年、その数は増え続けています。ということは、はじめる勇気よりも、あきらめる勇気の方が大きいということなんです。
もちろん、「お前も芸ないだろww」と思う方はご自由にどうぞ。

僕の場合、面白いライブに出会えてなかったら、とっくに芸人やめていたと思います。
テレビはご存知の通り向いてないし、ネットはネットです。好きとか嫌いとかそういうバカみたいな話じゃなく、正面からお笑いだけを突き詰めていくようなメディアではないんじゃないかと。

ずっとやりたかったイベントをやり終えた今、また別の、そこそこ大きな目標が1つできました。書かないですけどw

やれることが幸せなのか、やめられることが幸せなのか。

5年後のR藤本vs旧パソ・コン太郎が、この問題に1つの答えを出してくれることでしょう。どっちも幸せだったらいいんですけどねー。