地球から、遥か遠く離れた惑星。

スカウターの通信で、仲間がやられたことを知った、一人のサイヤ人がいた。
彼の名は、ナッパ。

「ラディッツめ、死におった…何で戦闘力1000ちょっとの奴なんかに…カカロットも死んだようだしな、所詮、下級戦士の一族だぜ。
だが何であれ、天下のサイヤ人がこのままやられっぱなしってわけにはいかねえ、この星を後まわしにして地球に向かうか!
しかし、どんな願いも叶うという、なんとかボールか…面白そうだな、ついでにラディッツの奴も生き返らせてやるか…」

そして1人宇宙船に乗り込み、地球に向かうナッパ。

「…それにしても地球人とサイヤ人の混血ってのはやたらと戦闘力が高いようだな…
スーパーサイヤ人ってとこか…下級戦士のカカロットのガキであの戦闘力だ、名門出のエリートであるオレ様の血を引けばこんなもんじゃねえはず…そんな奴をどんどん増やせば、再びサイヤ人の天下も夢ではないぜ!
そうなりゃフリーザなんて奴に従う必要もねえ、このナッパ様が、全宇宙を支配する王となるのだ!ハハハハハ!1年後が楽しみだぜ!!」

そして約1年後、ついに地球は一人のサイヤ人の侵入を許してしまった!

「…ふう…地球って言ったな…ピーピーうるさいヒヨコたちに、挨拶してやろうかな…」

“クン”

一瞬にして消し飛ぶ、東の都。

「ふははははっ!!ちょっと挨拶が丁寧になりすぎちまったかな!
…おっといけねえ、そんなことより、どんな願いも叶うっていう、なんとかボールを探すんだったな!とりあえずこの星で戦闘力の一番高い奴を探すか…ん?妙だぞ…戦闘力1000を超える反応が1つや2つじゃないぜ!へっへっへ…こりゃあ少しは楽しませてくれそうだな!」

戦闘力の高い2つの反応があった場所に向け、飛び立つナッパ。

「へっへっへ、こりゃいいぜ!この地球って星は、やたら重力が少なくってスイスイ動けらあ!」

そしてついに、地球の戦士たちと相見える。

「くっくっく…いたいた!1匹増えて、お強そうなのが3匹…カカロットのガキに、ん?ありゃナメック星人か…それとハゲ頭のチビ…981…1220…1083…バカめ!その程度の戦闘力でオレ様と戦おうってのか!こちとらズーッと寝てたから体がウズウズしてるんだ、一瞬で片付けてやるぜ…!はああああ…!!」

ナッパのすさまじい戦闘力に、ふるえる大地。
だがその時ナッパのスカウターは、新たな戦闘力の反応を捉える。

「ん?また新しいのがやって来やがったな!三つ目野郎に色白のチビ、髪の長い野郎まで…ザコどもが…どいつから片付けてやるかな…はああああ!!」

狙いを定めるナッパ。

「まずは一匹!ロン毛野郎!!」

“ズンッ”

一瞬で距離を詰め、ナッパの拳が、1人の戦士の胸を貫く!

「ヤ、ヤムチャさーん!!…死んでる…ち、ちきしょう…プーアルやブルマさんたちに何て言やいいんだよ…」

「ヘッ、この程度でくたばっちまうとはなあ、ガッカリだぜ…」

「く…くそったれ!修業の成果を見せてやる…!はああ〜!!」

「ぬ!?」

「気円斬!!とうっ!!」

1人の戦士から放たれた円盤状の技が、ナッパを襲う!

「ふっ!くだらん技だ!」

“ザンッ”

真っ二つに切り裂かれる、ナッパの体。

「あ…ぐ…う…ち…ちきしょう…」

「や、やった…サ、サイヤ人に勝った…勝ったぞー!!」

「す、すごいですよクリリンさん!」

「天さん!クリリンがやったよ!」

「ふう…一時はどうなることかと思ったぜ…」

「ヘッ、あのチビにしちゃ上出来だ…」

ヤムチャ乙。

“完”