さて、前回の長い前置きを踏まえて、改めて東京と大阪のインディーズお笑いライブの違いについて書かせていただきます!

主観でいらんことまで書いてしまう可能性が高いのであしからず…。

pen 前回も書いた通り、大阪のインディーズライブは、「吉本を目指している」芸人が中心です。
なので基本的に、先輩・後輩がはっきりしています。
NSC(吉本の養成所)の何期生か、いつからお笑いを始めたかですぐに芸歴が分かるからです。

しかし東京はお笑い事務所の数が非常に多い。そしてその分、芸人の数も非常に多い。

いろんな事務所の養成所があるし、どこどこの何期生ですと言ったところで、みんながピンと来るものではないです。
フリーで活動している方も多いし、所属事務所の移籍、他事務所の養成所に入り直すことだってもあるわけで、いちいち誰がどこの事務所で、先輩か後輩かを気にしてたらキリがないって感じです。

pen そして次に、僕はこれが一番特徴的なんじゃないかと思うんですが、ライブ料金の違いです。

大阪のインディーズライブは、無料、もしくは格安(せいぜい100�円)なものが非常に多いです。
東京では1000円は当たり前、出演者の知名度に関わらず、安くても500円はするんじゃないでしょうか。
逆に、大阪では高くても500円程度だと思います。

この違いは、大阪が吉本志向の芸人が中心である以上、営利目的と思われる活動ができないというのもありますが、大阪のインディーズライブの中心地、ワッハ上方の存在が大きいのではないでしょうか。

もちろんワッハ上方以外にもいろんな場所はあるんですが、とにかくこのワッハ上方、大阪府立の施設ということで、貸しホールとしての値段が非常に安いんです。

演芸に利用し営利及び宣伝を目的としない場合(つまり無料のお笑いライブ)は、使用料が半額、というのもあって、曜日や時間帯にもよりますが、2時間ほどのライブをするのに、50人以上入るようなスペースが10000円以下で借りることもできるんです。

難波という中心地にありながら、これは安い!東京ではありえないですよ。

10000円以下ってことは、10組のコンビ(つまり芸人20人)で割れば、1人500円以下の負担で済むわけです。
これだったら、売れるかどうか分からないチケットノルマを設けて手売りするよりも、500円ほど場所代を負担して、「無料なんで来てくださいね」とさらっと告知する方が楽なんですよ。

ただしこれだと集客が不安、芸人たるものもっと頑張って客を集めないといけない、という場合は、100�円くらいのチケットを作り、ノルマを設けて手売りをする、というライブになるんです。

というわけで現在、大阪で利益が発生するようなインディーズライブはほとんどないのではないでしょうか。

まずは経験、勉強ということで、金を払ってでも人に見てもらいたいという芸人が多いのは事実です。M-1、R-1だってエントリー料払ってるわけですからね。

東京にもそういう芸人はたくさんいるんでしょうけど、何せ場所代が高い(というかワッハが安すぎるんです)。無料だ100円だと言ってたら大赤字ですよ。

まあその分、ワッハ上方に関しては大阪府が負担しているわけで、そのおかげで移転だなんだと揉めてるわけです。
いや本当、ワッハがなくなったら大阪のインディーズライブは相当変わるんじゃないでしょうか。

pen 次に、お客さん

これは実際に調べたわけじゃないので断言はできませんが、大阪のインディーズライブに来るお客さんって、結構同じお客さんが多いんじゃないかと。

先ほども書いた通り、大阪では無料、もしくはワンコイン程度でライブが見れます。
同じ2時間でも、映画見るよりよっぽど安上がりですよ。
難波でヒマしてて、お金もないって人は、お笑いライブを見るといいと思いますよ。

しかし、いくら無料、もしくは格安と言っても、「吉本を目指している」芸人が中心である以上、はっきり言って、有名な芸人が出ていることは少ないです。テレビどころか、そのライブにしか出てないって方もいますからね。

その分東京では、いろんな事務所、いろんな芸人が集まる分、小さなライブでも有名な芸人が出ることも少なくない。「どっかで見たことある」くらいの方だったら、それなりに見れると思います(笑)

この違いは、「新規のお客さんが来やすいかどうか」に関わってくるんじゃないでしょうか。
1000円ぐらいでも、テレビで見たことあるような芸人が出てるなら行ってみようか、ってなりやすいんじゃないかと。

逆に無料で無名…知らない人からしたら、ちょっと来にくいかもしれませんね。面白いのか?と。
しかし好きな人からすれば、毎日のようにワッハに通ってライブを見ても、ほとんど経済的にダメージはない。

となるとやっぱり、大阪のライブの方が、お客さんを固定化してしまう可能性が大きいんように思えます。
これはあまりいいとは言えないんじゃないでしょうか。
いろんなライブでネタを試すと言っても、同じお客さんが多いと新鮮な反応はもらえないし、あえて詳しくは説明しませんが、「アウェーで勝負する」力が付きにくいんじゃないかと。

もちろんそうならない為に、チラシを配ったり、チケットノルマを設けて手売りしたりするわけですが、やっぱり全く知らない人に来てもらうのはなかなか難しいですよね。
知ってる人は知ってる人で、「タダで見れる」という感覚があったりしますからね。

実際、東京のライブの方が、新鮮な反応があるように思えます。どこに行ってもこのボケはウケるとか、そういうのが分かりやすいです。
毎回来て毎回笑うおじさんとかもいますけどね(笑)

後、大阪のライブの方が、若い女性のお客さんが多いです。
女子中高生って、東京のライブではそんなにたくさんは見ないような気がします。料金が高いからかな?

pen 次に、芸人というかネタの傾向

大阪のインディーズライブでは、上記の理由(同じお客さんが多い)もあって、キャラものは若干、ウケにくいです。
特にリズム系のネタやブリッジ(途中に決まったフレーズや動きを挟むやつです)にはえらく冷たい気がします。

かと言ってしゃべくり漫才や漫談ばっかりってわけではないんですが、ピン芸人でも1人コントなど、キャラよりもネタを重視する方が多いんじゃないかと。
僕はキャラなしではネタできないんで、ようそんないろんなネタ思いつくなあって感じです。

逆に東京は、ようそんないろんなブリッジ思い付くなあ、って感じです(笑)
後、音響や凝った衣装を使う方が多いです。エンターテイナーですね。

まあこれに関しては、目立つか勝ち抜くか、っていうとりあえずの目標の違いがあるんじゃないでしょうか。
前者が東京、後者が大阪です。

pen 最後に、ライブの内容

まず、些細なことですが、東京のライブは各芸人がネタをする前に、必ずと言っていいほど、袖のスタッフさんが影マイクを使ってその芸人の名前を紹介します。
僕が出る前には「R藤本!」と名前を言ってくれるわけです。
大阪じゃあまり見なかったですね。

次に、もちろん全部がそうというわけではないのですが、大阪のインディーズライブは、コーナー(企画)が多いです。

オープニングやエンデイング以外にもトークや大喜利、ゲームコーナー、その他出演者が考えた企画なんかがあり、数組がネタをやるごとにそういうコーナーを挟みます。
大体どのライブでも1つや2つ、多いところでは3つあったり、コーナーのみのライブも少なくないです。

これはネタ以外にもトーク力を鍛えたり、前に出る練習、出演者自体が楽しんでるというのもあります。
ファンの方からすれば、好きな芸人のネタ以外の部分が見れてお得感もあります。

一方東京は、基本はネタだけのライブが多いように思えます。
出演組数の半分、もしくは3分の1おきくらいに中MCが入るくらいで、エンディングで全員集合して告知したりギャグやったりしてワーワーやるイメージです。

特に大阪では定番のトークコーナー、東京ではまだ見たことないです。
MCの方が「今日のテーマは〇〇!ある人!」と言ったら出演者が「ハイハイハイ!」と勢いよく手を挙げて、そのテーマにちなんだエピソードを発表するという定番のアレです(笑)

僕としてはトーク(会話)というより、順番に小話を発表してる感じで、見るのも出るのもあまり好きじゃなかったんで、ちょっとホッとしています。
苦手意識持ってる場合じゃないんですが。大喜利は昔から好きなんですけどね。

でもこういった違いって本当、何でしょうね。お客さんの違いなんでしょうか。
何を望んでるかなんて、人それぞれなわけで。「〇〇さんさえ見れればいい!」ってお客さんもいるわけです。
まあそれでも、できるだけマナーは守っていただきたいのです。

ん?何の話でしたっけ…?

coldsweats02 いやー、長かった!これ書くのに何時間かかったことでしょうか。

最後は、「マナーを守ろう」とよく分からないことになってしまいましたが、インディーズお笑いライブと言っても、いろんな芸人たちが頑張って築き上げてきた文化であり、それが東西でこれだけ違うというのは、僕としてはなかなか興味深いものです。

もう1度書きますが、あくまで僕の主観によるものであり、「そんなことないわ!」と思われる方もいらっしゃると思いますが、そういった方はアレです、あのー、エロいこととか考えといてくださいlovely

chick 11日(水・祝 AGE AGEプロジェクト④
@渋谷公園通りシアターD
OPEN/16:30 START/17:00
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MC/ふくろとじ てっちゃん