ピン芸人、矢野号。事務所に所属せず、フリーで活動。最近はコンビで漫才もやっているとの事。

お互い、ほぼ初舞台だった大阪のインディーズライブの頃から知っていて、自分が東京に行ってからは完全に疎遠になっていたものの、歌ネタ王という賞レースで決勝にいったなどの活躍は耳にしていて、2~3年前に上京して来たのを知り、それ以来ほぼ毎月大喜利のニコ生に出てもらい、その後はほぼ毎回2人で飯に行くという関係です。
それ以外で遊んだり連絡するようなこともなく。

いわゆる「お笑いライブシーン」からは遠ざかっている自分にとって、そこで聞ける「今は誰々が勢いある」「最近この人はやらかしてる」など、芸人界の近況話は結構興味深いです。

とりあえず2人に共通するのは、「大喜利好き」「ライブ楽しい」「尖って見えるが意外と謙虚」「とにかく売れたいとかではない」などでしょうか。
一番違うところは、彼はとにかくネタを考える・やるのが好きで、売れようが売れまいがそれは続けたい、みたいなところでしょうか。
老化する前に作れるだけ作っておきたい、とも言ってました。
正直私は、そこまでネタに情熱はないw

現在フリーなので、よく「何で事務所に入らないの?」と聞かれるそうですが、好きなことをするのに事務所に入る必要性を感じないそうです。
確かにそうかもしれません。
フリーだからって何もせずサボるような人間じゃないし、逆に言うと、とりあえず馴染めそうな事務所に入ることで、身の振り方を考えることを放棄してるような芸人もいますから。

で、最近は作家業もはじめたそうです。
作家業といっても色々あって、彼がはじめたのは本当に芸人に向き合うだけの仕事。
以下の写真はTwitterのスクショです。


他にもすでにやってる人はいるのかもしれませんが、これ、芸人内では結構需要あるんじゃないかと思います。

ネタのダメ出しや、方向性のアドバイスをしてくれる作家はたくさんいますが、具体的にここはこうした方がいいんじゃないか、こういう設定、ボケはどうか、みたいなことまで言ってくれる人は経験上ほぼいません。

そもそも1人の芸人にそこまで時間と頭使ってられるかって話です。お金か特別な感情でも発生しない限りは。

優秀な作家は割と早い段階で忙しくなるので、数はたくさんいても、いわゆる「ブレーン」になれるような人は本当に少ないです。
芸人だって同じで、実際「使える」人の割合なんてごく僅かです。

芸人のほとんどが我流でネタを考えるしかない中、行き詰まってる人からしたら、堂々と仕事として「ちゃんと向き合うし手伝いますよ」というのは渡りに船なんじゃないでしょうか。

「売れてない芸人が売れてない芸人から金取るのかよ」みたいな批判もあるかもしれませんが、こんな自分の手の内を他人に明かすようなことをタダでやれるわけがありません。
お客さん呼べるわけでもないのにたくさんの芸人から高いチケットノルマ取って小銭稼いでるライブなんかより100倍良心的です。

うまいこと騙して一方的に搾取するのではなく、ギブアンドテイクでお互いを利用できる世界であればいいと思います。

べ、別に頼まれたからとか、仲がいいから宣伝してあげたとかじゃないんだからね!マジで!