無くなったら困るものはそんなに多くはないはず。

だから、お客様に「絶対続けてくださいね」とか
「辞めないでね」とか言われると、とても特別な気がして嬉しい。

それと同時に、信頼され続けなければ…と身が引き締まる思いがする。


寡黙なお客様ももちろん大切だけど、
いっぱい自分の事を話してくれる方に対しては余計に愛情が湧く。

誰にでもは話さないだろうなっていう話だったら尚更。

今日のお客様も若くして亡くなったご両親の事、
みとった時の心の動き、今ご両親に対して思う事など
特に私が促す訳ではないのだけれど、
誇張もなく卑屈でもなく本当に素直に語ってくださった。


淡々と穏やかに語られる物語の中に時折、許されるなら本気で泣きたくなるほど
胸にこみあげてくる場面があり、施術の手が止まるのを避けられないほどだった。

私が人生経験豊富な大人のセラピストだったら、
もっと深く包み込むような聞き方ができたのにって少し思った。
でも今の私には涙をこらえ、動揺をかくしながら
トリートメントを続け、ただ「うん、うん。」
ってうなずく事ができただけ。

もちろんその方はそれ以上の反応や
ある種のアドバイス的なものを望んでいる訳ではないと分かってはいるけど、
まだまだ私は未熟やって実感した。



でもそんなお客様から
「絶対辞めないでね」の一言がいただけたから、より嬉しかったのです…