毎日仕事行くとき、母が玄関先まで出てきて、角を曲がるまで見送ってくれる。
あたしも角を曲がる時に振り向いて片手を上げる。
そのときに、どうしても考えてしまうことがある…。
これが母に生きた私を見せる最後だったら…
いつもはふとそんなことが頭をよぎるだけやねんけど、
朝冷たくしちゃった日なんかは、
妄想が膨らんで涙まで出てきてしまう
父は小言が多いから、心の中で(これがあたしにかける最後の言葉になったらどうするんやろ)
とか思っちゃう。
なんかキモいけど。
逆に、今あの人が死んだらどんな気持ちになるやろうって想像することもある。
順番に大切な人の顔を思い浮かべていく。
電車で外を見てるときによくこれはやる。
ほんで泣いてしまう。
その後、大事にせなな、って思うねんけどすぐ忘れる。
あたしは小さい頃からずっと本の虫やったから、
どんなことも永遠には続かない、ということがインプットされてるんやと思う。
生きているものはいつか死ぬ。
勘違いしてるヤツはいつか打ちのめされる。
どんなに正直で優しい人でも、運命には逆らえない。
人生ってそんなものってことを小さい時から意識してきた。
「失ってから大切にしなかったと悔やむ」ことほど愚かなことはない、と思う。
明日自分が死ぬかもしれないこと、大切な人がいつか死ぬこと
それを想像することはあたしにとって必要な儀式なんやと思う。