個人型の確定拠出年金に加入するべきかどうかと、極力有利な入口と出口戦略を検討するために例をあげながら綴っていきます。


運用に興味はなくても、100%勝てる方法もあります。
金額の変動の無い投資信託を確定拠出年金で買い、所得税と住民税の控除を受ける。
年収600万円程度で約30%なので、例えば掛け金300万円に対して90万円の所得税と住民税から控除され、300万円を退職金控除として非課税で全額受けとる。
単純にノーリスクで30%のリターン確定です(長期的に保有しなければいけない場合がほとんどです。)

私個人も企業型確定拠出年金に加入しており結構ガチで検討しました。


長い記事になります。


確定拠出年金のメリット
①掛け金の上限までは所得より控除
②運用した利益は非課税
③-①受け取り時に退職金控除や老齢年金の控除がある。

③-②税制優遇の最大化と退職金控除を越えない掛け金はいくらを目安にするか



確定拠出年金のデメリット
④運用できる投資信託の商品が少ない。
⑤投資信託の経費が高い
⑥スイッチに一週間程度かかるのでリアルタイムではない。
⑦60歳まで原則引き下ろしができない。(60才になっても積立期間が10年に満たない場合は10年間までの積立が必要)
⑧税制が変更になるかもしれない。

上記の順番で説明していきます。








①掛け金の上限までは所得より控除について

掛け金の上限金額について
iDeCo(イデコ)の掛金は、勤務先に確定給付企業年金がある人や公務員は年間14万4,000円まで、企業年金のない会社員は年間27万6,000円まで、そして自営業者は年間81万6,000円まで(国民年金基金との合算)が上限です。

次に控除される金額を説明する上で所得税の税率が必要不可欠なのでこちらを参照下さい。




国税庁のホームページ引用


年収600万円前後のサラリーマン課税所得は450万円前後なので所得税20%×特別復興支援税1.021+住民税10%=30.42%かかります。
確定拠出年金の掛け金×30.42%税金が優遇されるのがメリットです。

②運用した利益は非課税について

例えば通常の特定口座では、株式メインの投資信託から、債券メインの投資信託などへポジションのスイッチをすると利益は確定し、その分は税金が掛かりますが、確定拠出年金やiDeCoでは非課税です。
つみたてNISAも非課税ですが、スイッチをすると積み立てた枠(年間40万まで)は戻らないのでつみたてNISAはポジション変更に向いていません。
確定拠出年金やiDeCoは自由にポジション変更が可能です。(手数料はかかりますが)

例えば米国株式メインで投資をしていき、逆イールドカーブが発生したら現金へ近いものへ変更したりなどの戦略があるのであればつみたてNISAでやるより有利です。

③-①受け取り時に退職金控除や老齢年金の控除があるについて

受け取り方は3種類あります。
A一時金
B年金
C一時金と年金

A 一時金は退職所得控除をうけられるについて
退職金や確定拠出年金等は退職所得控除の対象となります。

控除の対象となるのは運用後の費用です。運用前の元金ではありません。

退職所得控除の金額は勤続年数により変わってきます。
勤続年数20年以下の場合
40万円×勤続年数
勤続年数20年超の場合
800万円+70万円×(勤続年数-20年)

例えば23年勤続の場合は1010万なので1010万円までは確定拠出年金の一時金や退職金は控除されます


1010万円を超えた場合は課税されますが、その課税額は以下の表を参照下さい




国税庁のホームページ参照

確定拠出年金の場合は加入した年数を勤続年数とします。

また片方だけ貰う場合が上記の通りですが、別々の時期に受けとる場合や、同時に貰う場合で退職金控除の額が変わってきます。
詳しくは最寄りの税務署に確認してくださいとのことでした。

基本的に別々の時期に貰う方が有利になると思います。

例えば退職金は退職時に貰うので60歳や65歳など会社によって決まってると思います。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は60歳~75歳で自由に受け取り時期を決められます。

企業型確定拠出年金は企業の担当窓口に聞いてください。

B 確定拠出年金を年金で受けとる場合について
年金として受けとる場合は雑所得になります。
また、公的年金と合計した収入金額に対して「公的年金等控除額」が適用されて計算されます。


国税庁HP引用

年金は何歳から受け取るか変えれるので、65歳までは例えば年金を受け取らず、確定拠出年金を年金として受け取り、他に所得が無い場合は年間60万円までは所得税はかかりません。
60万円を超えた場合に、課税所得に対して所得税や住民税等ががかかってきます。

しかしながら、60歳を超えても実際は働き続ける場合には年金と給与所得が合算されてくるのでメリットは少なくなると思います。

③-②税制優遇の最大化と退職金控除を越えたさない掛け金とはいくらを目安にするかについて



まずiDeCoとは運用が素晴らしいのではなく、税制優遇が素晴らしい商品です。

単品の運用だけでみるとETFの方が優れています。

最強の控除を受ける戦略としての順序について

①20歳から最低拠出金額である毎月5000円を積み立てて、退職控除の枠を増やす。

②50歳など後半より限界まで拠出し、一番給料の高い時期に所得控除を受ける。

引き出せるまでの期間を短くする。
極力所得控除ギリギリまで積み立てる
③引き出しは退職金と時期をずらす。所得の無い時期があるならその時期に年金として受けとる。

ここでの問題なのが退職金がある場合は、企業型確定拠出年金の退職控除が分からない点です。

退職金がない場合は以下のフローで良いと思います。

23年の場合に一時金で受けとる場合1010万まで税金はかかりません。


そして年収600万円前後のサラリーマンの場合は、課税所得=330万から695万円の間の枠内となるので、その範囲で課税所得が控除される場合は、所得税の税率20%です



所得税を将来受け取り時に20%も払わければいけないほど掛け金を増やすと、税制優遇効果は無いです。

退職所得控除で所得税がかからないラインを目指すなら、1010万円まで



トータルで所得税を減らすのであれば、1010万円+330万円=1340万円までだと、330万円に対しては所得税が10%かかりますが、10%は押さえられるので1340万円まで



つまり、910万円~1340万円の間に調整するように掛け金を拠出するのが有利です



あとは個々で計算するだけなので簡単ですね(^.^)
定額積立の利回りを想定した計算がしたければGoogle検索で「つみたてNIISA 利回り」で計算できます。

次に企業型確定拠出年金と退職金がある場合についてです。

ここからの計算は企業型確定拠出年金+退職金で計算します。

受け取り時期を変えた場合は別の計算になりますが、将来企業型確定拠出年金の税制が変わった場合でも対応できるであろうと思います


(同時受け取りと不利な計算をしていますので)

例えば退職金が現金で300万円、確定拠出年金の掛け金が300万円の場合で計算します。

定期積立のできる確定拠出年金の場合
300万円÷23年÷12ヶ月=10870円/月
毎月10870円積みたてていると想定します。

年利0%の場合の最終積立金額=300万+300万=600万

年利2%:680万
年利3%:731万
年利4%:791万
年利5%:861万
年利6%:943万

ボラティリティ50%を想定した場合
年利2%:680万→490~870万
年利3%:731万→515~946万
年利4%:791万→545~1036万
年利5%:861万→580~1141万
年利6%:943万→621~1264万

個人的見解ですが、米国株式の運用利回りを6%、世界株式を4%としてみるのが妥当かと思います。

(あくまで20年以上の長期としてとらえた場合)



かなりばらついてきますね。

この金額が910万円~1340万円の間に収まるかどうかについては、年利6%をみていただければわかるように、ほぼ収まるということになります。


もう少し掛け金を上げても良いでしょうね。

先程の計算は企業型確定拠出年金ではなく、定期積立を想定しています。
企業型確定拠出年金の積立金額は定額積立ではなく、最初は少ない掛け金で、後半多い掛け金である場合は、実際の利回りは4~6%であっても、計算上は少なめに見積もるのが正解かと思います。
運用益は半分位に目減りするのではないでしょうか?

その場合は
年利2%(4%):680万→490~870万
年利3%(6%):731万→515~946万
これが企業型確定拠出年金+退職金部分と考えても良いと思います。

この金額に個人型確定拠出年金を追加して、910万円~1320万円に調整費すれば良いと思います。


この例の場合は概算ですが、足りない金額が200万円程度です。

サラリーマンなので年間の拠出できる金額の上限は14.4万円です。
200万÷14.4万=約15年

つまりこの場合は、60歳-15年=45歳になったタイミングで拠出すれば良いかどうかを決めれば良いと思います。

ボラティリティとは、上下の上げ幅と下げ幅です。
例えば過去最大の不況であるリーマンショックでは70%米国株は下落していますがここでは50%を想定しています。


確定拠出年金のデメリット
④運用できる投資信託の商品が少ない。について


上場投資信託であるVTIやVOO、QQQのような商品が企業型確定拠出年金には無い場合がありますので、ノーリスクノーリターン、ミドルリスクミドルターンの商品がメインです。
個人型確定拠出年金では、例えばVTIに委託する投資信託に拠出したい!など決めてからどこの証券会社で口座を開くか決めたら良いと思います。証券会社選びが面倒なら最大手のSBI証券で良いと思います。

⑤投資信託の経費が高いについて
国内の証券会社の投資信託しかないので、どうしても経費率が高いです。
売買でも多少費用がかかります。
でもまぁ微々たる差です。

⑥スイッチに一週間程度かかるのでリアルタイムではない。
投資信託なら翌々営業日まで
ETFなら即座に約定します。
このスピードは時には大きなリスクヘッジになることもあります。

⑦60歳まで原則引き下ろしができない。(60才になっても積立期間が10年に満たない場合は10年間までの積立が必要)

⑧税制が変更になるかもしれない。

これはもうどうなるか分かりません。年金問題が下手をすると確定拠出年金の税制優遇を打ち消す可能性も否定はできないので、ある程度は改革される可能性があるとして考えておいた方が良いのかと思います。


 








知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoをはじめたいです。 [ 横山光昭 ]

 

 

確定拠出年金の教科書 [ 山崎元 ]

 

計算が無違えていたら申し訳ございませんが責任は取れません。


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