カッコウの鳴き声で眼を覚ました

部屋の窓を開け

澄んだ空気を体一杯に取り込む

硫化水素を吹き上げる噴煙を見下ろしながら

荒涼とした樹木の生えない殺生の土地と

その周辺の美しい緑のコントラストを楽しむ


ここは文明が標高1800mの山中まで触肢を伸ばした最前線だ

敵は文明を腐食させようと迫る自然

その敵である自然を愛おしく感じ癒しとなる


平安の都人が歌枕に寄せた思いも

この程度なのだろう

辺境の土地は忌避であるとともに憧れとなる

文明の最果てに歌枕は出来上がり

まったくの未開の土地には歌枕は存在しようもない


何一つ不自由なく水も電気もあり

食糧を届ける道も整備された

文明の辺境の土地

しかしすぐそこには危険な彼岸の世界が手に届くようにある


美しさは対比のなかに存在する