社会保険労務士法人レクシード スタッフ日記 -31ページ目

社会保険労務士法人レクシード スタッフ日記

レクシードで働くスタッフの日常や、時には労務のことを語る日記です☆

働き方改革関連法により

年次有給休暇(以下、「年休」という)の取得義務化の対応を

進めている企業も多いと思いますが

実務を考えるにあたって

パートタイマー(以下、「パート」という)の

年休の運用で問題が発生しているという事例を多く耳にします

そこでパートが年休を取得したときの取り扱いを

賃金の支払いを中心に確認しておきますひらめき電球

 

[1]年休の付与ルールヒヨコ
 年休は従業員が雇入れの日から6ヶ月継続して勤務し

その6ヶ月間の全労働日の8割以上を勤務した場合には10日が付与されます

年休は正社員だけでなく

パートに対しても付与され

その日数は各パートの所定労働日数に比例して決定されます
 2019年4月からは働き方改革関連法の成立に伴い

全ての企業において年10日以上の年休が付与される従業員に対し

その日数のうち5日については1年以内に時季を指定して取得させることが

義務付けられました

パートであっても付与される年休の日数が10日以上の場合は

この義務の対象となります

 

[2]パートが年休取得した場合の賃金の支払い方法ヒヨコ
 年休の取得が義務化されたことにより

これまで以上に年休の付与や取得において確実な管理が

求められることは言うまでもありませんが

併せて年休を取得した際のパートへの賃金支払いにも

注意しなければなりません

正社員は一般的に月給制のため

年休を取得した日に対し追加で賃金を支払うことはありませんが

パートは一般的に時給制のため

年休を取得した日の賃金をどのように扱うか決めておく必要があります
 年休を取得した日に対する賃金は以下のいずれかの方法で支払うことになります。

  1. 通常賃金ひらめき電球
     通常賃金とは所定労働時間どおりに働いたとした場合に支払う賃金のことをいいます。パートで日によって所定労働時間が異なるケースでは年休を取得した日の所定労働時間分賃金を支払うことになり、所定労働時間の長短によって支払われる賃金が異なります。
  2. 平均賃金ひらめき電球
     平均賃金とは、原則として年休を取得した日以前3ヶ月間の賃金の総額をその期間の総日数(暦日数)で除した金額のことをいいます。この方法によれば1.のように年休を取得した日の所定労働時間の長短によって賃金が異なることはありませんが、年休を取得する都度、平均賃金の計算をすることになり、事務処理が煩雑になります。なお、平均賃金には最低保証という考え方があり、年休を取得した日以前3ヶ月間に労働した日数で賃金の総額を除し、その金額の100分の60が最低保証として定められています。
  3. 健康保険標準報酬日額ひらめき電球
     標準報酬日額とは健康保険の標準報酬月額を30で除した金額のことをいいます。これを利用する場合は従業員の過半数を代表する者等との労使協定を締結します。健康保険の被保険者でない者には適用できないこともあり、あまり利用されていません。

 企業は[2]の1.~3.についていずれも選択することができますが

従業員が年休を取得する都度、計算方法を選択する(変更する)ことはできません。

いずれの方法で計算するかをあらかじめ決定し、

就業規則等に定めておかなければなりません。

 

■参考リンクヒヨコ
東京労働局「しっかりマスター労働基準法有給休暇編」
 

 

健康経営という言葉を耳にすることが増えており

企業において従業員の健康への関心が高まっているように感じます

労働基準行政においても労働者の健康確保に力を入れており、

労働基準監督署の調査においては衛生管理者の選任や

衛生委員会の設置に関することだけでなく、

健康診断の実施などについても指摘されることが増加しています。

そこで、今回は法律により実施が求められている

定期健康診断(以下、「健康診断」という)の内容について確認しておきましょう。

 

[1]健康診断の実施対象者
 健康診断は、労働安全衛生法および労働安全衛生規則において、

1年以内ごとに1回(深夜業に従事する労働者等は6ヶ月ごとに1回)、

定期に実施しなければならないとされています。

健康診断の実施対象者は、常時使用する労働者であり、

正社員だけではなく、パートタイマーやアルバイトであっても、

以下の要件のいずれにも該当する場合には実施することになっています。

  1. 無期契約の労働者や契約期間が1年以上である労働者、契約の更新により1年以上使用することが予定される労働者、既に1年以上引き続き使用している労働者
  2. 1週間の労働時間数が、その事業場の通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上である労働者

[2]定期健康診断と雇入れ時健康診断との関係
 定期健康診断のほかに労働者を採用したときには、

雇入れ時の健康診断を実施する必要があります。

実務上よくある疑問として、採用後すぐに会社の定期健康診断が予定されている場合、

雇入れ時の健康診断を実施せず、

定期健康診断を受けさせるのみでよいかということがあります。

このようなときであっても、健康診断を実施する目的が以下のように異なるため、

雇入れ時の健康診断を実施する必要があります。

  • 雇入れ時の健康診断
     雇入れ後、労働者を配置する際の健康上の配慮が必要であるかを確認したり、
  • 入社後の健康管理の基礎資料とするもの
  • 定期健康診断
     労働者の健康状態を定期的に把握し、
  • その結果によって就業上の必要な措置を講じるためのもの

 健康診断を実施した後は、健康診断の結果を記録しておく必要があり、

健康診断個人票を作成し、これを5年間保存しておくことが求められます。

また健康診断の結果、異常の所見が認められた場合、

医師等からの意見聴取を実施する必要があります。

この意見聴取とは、就業上の措置に関してその必要性の有無や講ずべき

措置の内容について、医師等に意見を聴くことであり、

その意見を基に会社は必要に応じた措置を講じることになります。

また、医師等の意見は健康診断個人票に記載します。

労働基準監督署の調査では、この医師等からの意見聴取を行っていないとして、

是正勧告が行われる事例が多くなっていますので、

いま一度、健康診断実施後に実施すべき事項を整理しておきましょう。

厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」

 

2019年4月から、労働安全衛生法により

事業者は労働時間を客観的な方法で

適正に把握することが義務付けられました

目的は、長時間労働者に対して産業医などの

医師による面接指導を確実に実施することです

 

そもそも労働基準法に、

労働時間、休日、深夜業などについて

規定を設けられていることから

使用者には

労働時間を把握するなど労働時間を適切に

管理する責務があります


ただし、2017年1月に厚生労働省が策定した

「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずるべき措置に関するガイドライン」では

管理監督者やみなし労働時間制が適用される

労働者は対象外となっていました

 

今回労働安全衛生法が改正されたことにより

労働基準法では対象外になっている労働者についても

事業者は客観的な方法で労働者の労働時間を

把握することが義務付けられたのです

 

また、労働安全衛生法では

違反の場合の罰則は設けられていません

時間外労働の上限規制わかりやすい解説