「前編」の記事についてコメントしにくい内容なのにコメントしてくださったみなさん、「メッセージ」を送ってくれたみなさん、ありがとうございます。
今は個別にお返事できませんが、何度も読み返させていただいています。

本当にありがとうございます。


続きです。
彼の言葉で覚えていることを私の立場から繋いでいるので、どうもキツイ内容になってしまいます・・・。


私の治療、当初の予定では2月に抗癌剤6クールが終わり、4月から職場復帰の目標にしていました。
それも彼に話していました。
でも、予定は予定通りにいかず、先日の記事のように未だに抗癌剤治療は終わらず終わる目処も立っていません。
彼には「副作用で最初の薬が使えなくなったから、違う薬に替えることになった。」とは話してありました。


今、自分は東京で平日働いていて、れひは実家で過ごしていて週末来てもらう。
初めの頃は春には治療が終わって東京に来るっていっていたのに、いつまで経っても治療が終わらない。
こういう生活、いつまで続くのかっていう不安もある。
自分自身の将来についても考えてしまう。


今、治療は順調に進んでいるよ。
でも、いつまで治療が続くかはまだ分からない。
私は、前にも言ったけど治療が終わったら東京の職場戻るつもりでいるし、そのときはあなたと暮らせたらいいな、結婚できたらいいなって考えていた。


すると、彼は暫く黙りました。


私を責めるわけじゃないし、こんなこと言うのは私にとって酷なことだって分かっているし、一番辛いのは私だってことも分かっていると前置きをして、


オレって何も欲しがらないでしょ。 (確かに物欲はない。)
本当のこと言うと、子供が欲しいんだ。


こんなこと、彼の口から聞くとは思っていませんでした。
子供のことは気にしていない、そう言っていたのに・・・。


私だって欲しくて欲しくてたまらかったよ。
がんになる前から欲しかったよ。(涙が止まらない。)


それと、今までは病気のことに関して逃げいたけど、結婚したらそういう訳にはいかないって思っている。
きっと、結婚したら今まで以上に心配するし、それこそ今度は調べまくるだろうし、毎日れひの病気のことで頭でいっぱいになってしまうと思う。
そうなる自分が想像できるんだ。
結婚したら急変するっていうのもおかしいかもしれないけど、家族なったら責任もある。
家族だったら、何もかもお互いシェアしなくてはいけないと思っている。
治療が終わったとしても今後も「爆弾を抱えている」れひと、子供もなしで二人だけで生きていけるかどうか今の自分には分からないんだ。


子供も産めない、「爆弾を抱えている」私は役立たずってこと?
私は、あなたとだったら子供がいなくても幸せな毎日が過ごせるって思っていた。
子供中心の家族、子供が産まれた途端にパートナーのグチばっかり言う家族、子供だけで繋がっている家族、そういう家族じゃなくて。
あなた自身、自分の仕事にも誇りを持って充実しているようにも見えるし、趣味だってあるし、一人でも二人だけでも人生充実して過ごせる人でしょ?
もともと子供がいないとダメっていう感じでもなかったし、そう言っていたじゃない。
「ないものねだり」っていういことじゃないの?


役立たずだなんて思っていないよ。

「ないものねだり」っていうのも確かにあるのかもしれない。

れひが言っていることも分かる。
違う人と結婚したからって子供が出来るとは限らない、それも分かっている。
でも、、、、


言葉でははっきり覚えていませんが、彼はいわゆる「健康なパートナーがいて、子供がいて、家があって・・」という「普通の家庭」が欲しい、そういった感じのことを言っていたと思います。


じゃあ、「今いる私」よりも「今いないし会えるかどうか分からないけど、将来の自分の子供」が欲しいってこと?
と聞きました。


彼はかなり長い間黙っていました。


ごめん、それが分からないんだ。
自分が本当に子供が欲しいのか、「爆弾を抱えている」れひとこれから本当に一緒になれるのか、考えさせて。
どっちにしても、このままじゃいけないって思っていた。
れひと一緒に生きていくなら、そういう答えをきちんと出さなくちゃいけないと思っていた。
いつ答えが出るかは分からない。
明日かもしれないし、何ヵ月後かもしれない。


とにかく、もう今日は一緒にいられないから、せっかく来てもらったのに申し訳ないけど家まで送るよ。


そして、楽しみにいていた2泊はなくなり、自宅へ搬送されたのでした。


こう書いてみると前回の記事も含めてかなりきつい言葉ばかりです。

でも、彼を援護するわけではありませんが、彼は何度も何度も「れひを責めている訳じゃない」と言いました。

彼の涙を初めて感じました。

ここに書ききれないほど、他にもいろいろ話をしました。


「子供が欲しい。」
この言葉を彼の口から聞くとは夢にも思っていませんでした。
この言葉がずっと頭から離れません。


私自身、ずっと子供が欲しいと思っていたので、がんと診断があった当初は「がん」になったことよりも「子供が産めなくなったこと」が辛かった。
その気持ちも、彼は知っていたはずです。
ただ、私自身、自分が子供が産めないことについては「子供を産むだけが幸せの全てではない」という考えにシフトして自分なりの幸せな人生を考えるようになっていました。
甘かったのは、その「自分なりの幸せな人生」には、彼と一緒になることが組み込まれていました。
だから、情けないことに喪失感でいっぱいです。


今、子供が産みたくてたまりません。
愛する人の子供が産みたい。 

彼を父親にさせてあげたい。 私の子供の父親になってもらいたい。
無理なのに。


「子供が欲しくて、これからずっと病気のことでハラハラしなくてはいけないは辛くて嫌だ。」と言うなら、答えはすぐに出るはずです。
いつかはこの答えを聞くならば、自分から彼を自由にさせてあげた方がいいのでしょうか。
私と一緒にいる限り、彼は自分の子供を持つことが出来ません。
結婚しているならまだしも、まだ結婚していない私たち。
彼にはこれからの人生の選択権があるのです。。


でも、こんな辛いことまで言われながら、こんなに頼りない彼なのに、それでも私は彼に選んで欲しいと思っているのです。
自分でもバカだって思います。


「がん」になったこと、子供が産めなくなったこと、悔しいです。

そうなることが運命だったとしても、もう少し後にして欲しかった。

まだ31歳だったんだよ。