<2017.10.28>

 

月形キャンプ場の夜明けです。

直前に水鳥たちが水面から飛び立っていきました。

 

朝日が昇る空知平野です。

 

芝生は霜で真っ白になっています。

 

 

月形町で有名なのが月形刑務所です。

先日、THE FOOLSのボーカル・伊藤耕さんが亡くなったという記事が出ていましたが、彼が亡くなったのがこの月形刑務所です。

 

この刑務所は全国の刑務所の中でも刑が重く、名のある方…が収容されるらしく、組の大親分さんなどが出所するときには塀の外に黒塗りの車が連なることも珍しくない

・・・

と、20年ほど前に所長さんが話してくれました。

 

 

 

このブログで2度ほど、この月形刑務所にお世話になったことがあると書きましたが

・・・

ラッキーなことに犯罪者としてではありません。

 

刑務所に収容された受刑者は塀の中でさまざまな労働(刑務作業)をしているのですが、その一つが家具作りです。

作った家具類は、「キャピック」というブランドで全国の矯正展などで販売されており、売り上げは国庫に入りますが、製作した受刑者には作業報奨金が支払われます。

ちなみに、我が家のテーブルもキャピックです。

↑片岡鶴太郎さんもこれと同じものを買ったと刑務所の人が言ってました。

 

したがって、刑務所の職員の方の中にはキャピック製品を販売する仕事をしている人もいるのです。

当時仕事で知り合ったキャピック製品販売担当の職員の方が大変熱心な方でした。

その昔は矯正展が大変人気のイベントでよく売れたらしいのですが、その頃には売り上げも毎年のように下落していたのです。

僕も高校生の時に東京の科学技術館でやった矯正展に行ったことがありますが、ものすごい人だった記憶があります。

 

そこで、

テレビで売りませんか

と持ち掛けたのです。

テレショップですね。

もし成功すれば月形だけでなく全国の刑務所で展開し、キャピックの売上増に大きく貢献するはずです。

 

もちろん彼らは国家公務員ですから、組織的な根回しが必要です。

その方が上司に相談すると、月形刑務所の所長まで上がり、さらに中央に伺いを立てると

全国で初めての試みであーる。

失敗は許されないので心して取り組むように。

というお達しが出たらしいのです。

その担当の方に聞くと、何でもこのショッピングの結果次第では所長の出世にもかかわると

・・・

それほどのことか?

と半ば呆れたのですが

・・・

まあ公務員の方もいろいろ大変だなと。

 

それから、月形刑務所と月形町の全面強力を得て日本初のキャピックのテレビショッピング事業がスタートしたのです。

 

タイトルはこの企画を思いついたときに決めていました。

刑務所スペシャルショッピング

ね、いいでしょ。

 

メインキャスターは、家具製作作業をしかめっ面で監視する網走番外地に出てきそうな看守長(←本当にそんな感じでした)。

製品を説明するのは、敵対する組を襲撃した罪で服役中の大親分です。

チャカとドスをノミに持ち替え、心を込めて作ったタンスです

みたいな感じはどーでしょうか

・・・

という高視聴率間違いなしのプランを刑務所サイドに提案したのですが、

・・・

あっけなく却下されました。

でも、北海道新聞が

面白い!

と記事にしてくれました。

 

その関係で刑務所の中を見学したことがあります。

主に家具の製作状況を見るためだったのですが、廊下を歩いていると、当たり前ですが受刑者の方々も普通に歩いています。

しかし、僕たち外部のヒトと察知するや、壁に顔をくっつけ、腕を後ろに組みじっと僕たちが通り過ぎるのを待ってました。

たぶん、顔を見せたらいけないという決まりでもあるんでしょうね。

 

 

テレビショッピングは無事終了し、想定額には少し足りませんでしたが、まあまあの売り上げでした。

驚いたのは注文して商品を届けたにもかかわらず、代金を払わずに逃げようとしたヒトがいたことです。

普通の商品ならいざ知らず、刑務所関係の商品ですぜ。

それで捕まったら今度は自分が作る側になるかもしれないのに。

 

 

 

テレショップで売るには商品を撮影しなければなりません。

その撮影を町の公民館のような場所で徹夜でやったのですが、どこでやったんでしょうか。

キャンプ場の管理人さんに聞いてみると、

国道沿いからちょっと入ったところにある研修センターではないか、

というので行ってみました。

 

 

うーん、ここだったかなあ

・・・

確かちょっとした小さい体育館風の作りでステージがあったはずです。

 

普段は中に入れないのですが、ちょうど町民文化祭という催しものをやっていたので中を覗いてみると、

おお、ここです。

間違いありません。

ここで徹夜で撮影したのです。

・・・

でも、僕は温泉に入ってさっさと寝てしまいました。

 

徹夜で撮影を仕切ってくれたバラさんは、

・・・

もうこの世にいません。

 

 

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