<2017.8.8>
7年前の2010年6月。
僕はアフリカの大地を友人と共に車で突っ走っていました。
南アフリカで開催されたサッカーのワールドカップを観るためです。
海岸のリゾート地ダーバンで開催された日本×オランダ戦の翌日のことです。
スワジランドという国を見たいがために大きく遠回りしたことで、ダーバンを出発して既に9時間が経過していました。
そして、エルメロという街の郊外まで来たときに、ついに日が暮れてしまいました。
目的地のプレトリアまであと300㎞もあります。
西の空には真っ赤な太陽がサバンナを染めるように沈んでいきます。
昼でもそうですが、特に夜は危険なので絶対に車を走らせてはいけない、と言われていた南アフリカです。
明るいうちに着くのはもう無理です。
助手席の窓から大地に沈みゆく夕陽を見ながら、
本当にやばいかもしれないな
という絶望的な気持ちとともに、
体の奥底から得体のしれないゾクゾクしたものが沸いてきたのです。
なんだ、この気持ちのよさは
・・・
僕はその時、わけのわからない多幸感に包まれたのです。
2010年の南ア大会には多くの日本人が観戦に来ていましたが、ほとんど人は旅行会社の観戦ツアーを利用してました。
会社の後輩の山谷と僕はよく海外にサッカーを観にいっていたのですが、日本代表が初めてワールドカップの出場を決めたあのジョホールバルの時からツアーは利用していません。
ヨハネスブルクの空港でレンタカーを借り、トランクにはゴルフバックを積み、サッカーのないときは途中の街々でゴルフを楽しむという行き当たりばったりの旅です。
そして、その時初のブログも始めていました。
以前ブログランキングのことを書いたのですが、このブログが1位になったといってもそのジャンルの参加者は150人程度のことです。その時は「サッカー」という大枠のジャンルで5300人ほどが参加していたのですが、始めて2か月余りで1位となり、休止するまでの間常に首位をキープしてました。
記事を一つUPすると数万単位の方が見に来てくれました。
アフリカの大地で自分たちの足で日本の代表チームを追いながら記事を書き、それを多くの方が読んでくれる。
そんな旅にサラリーマンでは味わうことのできない充実感を感じたんだと思います。
そして、その充実感からくる多幸感。
これがあのなんとも言えない気持ち良さの正体だったのだと思います。
一方でこんな充実感・多幸感をこの先の人生で味わうことがあるのだろうか、とも思いました。
残念ながら4年後のブラジルW杯では、日本代表の不甲斐なさも有り、あの多幸感を味わうことは叶いませんでした。
そして今回、富良野付近を周っている時に、あまりにキラキラした風景に触発されたのか、あのアフリカの夕暮れの風景の中で感じた充実感をほんの少しですが感じられたのです。
今まで自分でも気が付かなかったんですが、会社を辞めてこんなことをしているのも、あのアフリカでのなんともいえない多幸感を再び求めていたのかもしれません。
2回に亘り今回の10日間の総括らしき物を書きましたが、一番の収穫は
青の1号の旅もまんざらじゃなさそうだな
ということです。
実は不安がありました。
60になったら好きなことをしようと会社を辞めて、中古トラックを買ってキャンピングカーらしき物を作って旅に出たものの、つまらなかったどうしよう、と。
僕のやったことが根底から崩されるんじゃないかと。
でも、何とかなりそうです。
そして、もしかしたら、あのアフリカの夕暮れの中で包まれた体の奥底から湧いてくる不思議な充実感・多幸感をもう一度味わうことができるんじゃないかと思うのです。
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