<2017.5.12>

 

浅田真央ちゃんが引退しました。

ご苦労様でした。

一流選手らしい引き際でした。

やはり、人生肝心なのは引き際ではないかと。

己の使命が終わったのに、居心地よさに安住し、いつまでもぐずぐずと居続けてはいけません。

オトコなら人生の区切りできっぱりと見切りを付け、若い人にその席を譲らなければいけません。

 

僕もまもなく退職します。

ということは、浅田真央ちゃんと時を同じくして(3か月違うけど)引退するわけです。

何という奇遇なんでしょうか、

って…

 

それが何か関係あんのか

 

と思うでしょ。

驚かないでください。

大アリ食いです。

ふふふ。

でも、あんまりヒトには言わないでね。

 

 

 

僕が真央ちゃんと初めて会ったのは、2007年の1月のことです。

当時浅田真央16歳。

2007-08シーズンにGPシリーズに2戦2勝し、彼女の全盛期とも言われている時期です。

それに対し、ワタクシ当時49歳。

僕のサラリーマン人生の全盛期と言われていた時期です(←誰も言ってません)。

共に全盛期どうしの…16歳と49歳。

やはりお互いに惹かれあうものがあったんでしょうか。

↑既に妄想が始まっています。

ただ、その年の差33歳。

いわゆる世間で言うところの

禁断の恋

です。

 

その真央ちゃんが札幌の真駒内アイスアリーナで開催されたフィギュア・スケートのイベントで来札したのです。

会場は満員御礼状態でした。

僕はいわゆる「関係者」というやつでしたので、メインスタンド中央のボックス席という関係者席の最後列・一番左の席に座り、外人選手が滑っているのを何気に見ていました。

僕の周りには誰も座っていませんでした。

 

すると、浅田真央ちゃんの姉の舞ちゃんがとことこと歩いてきて、なな、なーんと、

僕の隣の隣の席

に座ったのです。

ラッキーです。

でも、僕と舞ちゃんの間には一つ空席があったので、腕を伸ばしきらなければ舞ちゃんには触れることができない、犯罪者にはならなくて済む安心の距離でした。

あーよかった。

 

それから10分くらい経った時でしょうか。

リンクを見つめる僕の視野の右端に

浅田真央ちゃん

の姿がかすかに見えたのです。

 

(お、真央ちゃんだ!)

 

僕の心臓が1回だけ大きくドキっと振動しました。

そして、その姿はぐんぐん僕に近づき

・・・

なな、なーーんと僕と舞ちゃんとの間の席、つまり

僕のすぐ右隣の席

に座ったのです。

ということは僕の利き腕側です。←それが何か関係あるんでしょうか

 

ドキドキドキドキ

・・・

僕は大人げなく動揺してしまいました。

視線はフィギュア界の関係者のように、フィギュア界の行く末を案じるような姿勢を装い一心不乱にリンクに向けています。

でも、滑っている選手がリンクの右側に行くと、選手を見るふりをして視線を右下に落し、真央ちゃんの

ヒザ

をみました。

ほんの少し

・・・

距離で言うと23.5cmほど右手を伸ばせばそこに、

浅田真央ちゃんのヒザ

があるのです。

(注)別にヒザ・フェチというわけではありません。

 

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

 

覚悟さえ、

・・・

えーと

・・・

サラリーマンを辞めて犯罪者になる覚悟さえ決めれば…、

 

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

チャーンスです。

↑ピンチかも。

 

僕は迷いました。

ヒザを

・・・

ではありません。

なんか話しかけた方がいいのではないだろうかと。

このまま二人で黙ってリンクを見ているのも気まずい雰囲気です。

↑そんなことはありません。

 

(で、でも、なんて話しかければいいんだろう・・・)

僕は、あれこれ考えました。

なんか、きっかけが必要です。

「舞ちゃんは元気ですか」

というのも、すぐ隣の隣で元気そうにしてるので変だし、

・・・

「お母さんは元気にしてますか」

というのも、

(このヒト、昔お母さんと何か深い関係でもあったのかな)

と、疑れそうです。

 

僕は真央ちゃんにかける言葉を必死に考えました。

と、その時です。

突然、

織田信成

が僕たちの方に歩いてきてすぐ前に立ち、

リンクに登場してきた佐藤有香選手に向かって、

「ユッカちゃーん!ファッ・イ・トォー!」

と子どものような甲高い声で叫んだのです。

 

オマエは小学生か!

 

せっかく真央ちゃんといい雰囲気を作り上げたのに(←作り上げていません)、

この織田信成の登場により、今までの努力が(←してません)

台無しになってしまったではありませんか。

 

瞬間的に逆上した僕は思わず、

 

「うっせーぞ。ノブナリ!」

 

・・・

すいません。

こーいう風に「  」で書くと、さも本当に言ってしまったように見えるので、(  )に訂正させていただきます。

(うっせーぞ、信成!)

と頭の中で考えはしましたが、分別のあるオトナなので口にはしませんでした。

 

さて、どうしたものでしょうか。

相変わらず真央ちゃんにかける言葉がみつかりません。

その代わりに、まずいことが頭をめぐりだしたのです。

(このまま手を伸ばして真央ちゃんのヒザの上に手をそっと置いたらどうなるんだろうか…)

一度考え出すとその後の展開が次々と浮かんできました。

 

 真央ちゃんは、「キャー!」とか叫ぶのだろうか。

 いや、真央ちゃんの性格からして、こちらを向いてニコっと笑うんじゃないか

 

・・・

こんな妄想が、次々に浮かんできました。

こうやってヒトは犯罪者になっていくのでしょうか。

 

しかし、第3者がこの光景を見てたら、

(あの浅田真央の隣に座っている関係者は一心不乱に氷上の演技を見てたな。

よほどフィギュアに命をかけてるんだな)

ときっと思うでしょう。

まさかこんなことを考えてるとは思わんだろうな。

 

そして、真央ちゃんとの関係修復(←関係してません)もできないままに彼女はやがて静かに席を立っていってしまったのです。

がーん。

この意気地なし!

 

 

さて、イベントが終了して、帰ろうと思い選手控室の隣の階段を上っていたら、下の廊下で真央ちゃんが演技の練習をしているのを見つけてしまいました。

そして、とっさに口に出てしまいました。

 

「おう!真央ちゃん、がんばってね!」

 

い、言えました、すんなりと。

すると真央ちゃんは、首を斜め上に向け僕を見てニコっとほほ笑むと、

 

「はい。ありがとうございます。がんばります!」

 

と返してくれたのです。

かーわゆい!

よかったよかった、犯罪者にならないで。

 

<お詫び>

「浅田真央ちゃんの引退と僕の退職はどう関係しているのか」などというたいそうなタイトルを付けてしまいましたが、関係性など全くありませんでした。

謹んでお詫びいたします。

 

真駒内アリーナです。

あのジャネット・リンちゃんが舞ったところです。

 

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