REX5期 大阪の 谷井隆夫です。 2010年の韓国視察の記事を引き続き掲載します。

 
流暢に日本語を話す大元外国語学校の生徒  右は津田仁教育監 当時高等学校課長

ソウル教育庁のトップは「一夜漬けの勉強で勝ち残るようなニセの秀才を排除し、真の英才を育成する」と話していました。

「平準化政策」と「英才学校」、これが二つの柱です。この政策の遂行には、「大きな教育予算の存在」と、「政治主導の教育政策」という、日本と異なる側面があることを感じました。

 
ソウル女子商業  まず全員を就職させ、その後に夜間大学等への進学を勧める

今回の視察の間、私が自分なりに心に期していたことが一つあります。それは、子どもたちの実際の表情をよく見よう、できれば直接話しかけてナマの声を聞こうというものです。

ソウル科学英才高校の一年生の生徒は、しっかりした英語で「自分の家族の幸せと、韓国の発展のために勉強しています」と言ってくれました。大元外国語高校2年生の生徒は、中国語の時間に「韓国の良いところは、歴史があって、自然がきれいで、食べ物がおいしくて、その上自由にカラオケができるところ!」とオチまでつけた中国語スピーチをしてくれました。キャリア教育で定評のあるソウル女子商業の生徒は「大学進学をせずに、まず就職して3年経ってから働きながら大学に行く」と話してくれました。それぞれの生徒の表情と言葉の中に、自分の幸せを求める率直な気持ちと、社会貢献への使命感を感じました。


生徒たちは各自の状況や国の方針をよく理解していました 「まず銀行員になる」などと話してくれました

 橋下知事は現地でのインタビューで「(大阪でも)世界に通用する人材育成を」と答えておられました。生野教育委員長も「府立高校から海外の大学へ進学する生徒を支援したい」とお考えを話してくださいました。私も、韓国で感じたことを自分の中で消化し、大阪で具体化していきたいと思います。胸を張って私の質問に答えてくれた韓国の高校生と同じように、「生徒一人ひとりの幸せを願うと同時に、日本の社会に貢献していく使命感をもった人材を育てていきます」と、照れることなく私も発言していきたいと思います。


 
 韓国料理を食べながら 橋下知事が自分の描く教育施策についてたくさん話してくれました

韓国の現状を知ること、橋下知事のお人柄を感じること、そのどちらの意味でも大きな経験になった韓国視察でした。「失敗を恐れるより新しい試みを試してみる」、韓国の行政にも、橋下知事からも感じたことです。