NYに赴任した当初は、
妻が長女を出産するため
日本に残ったので、
三ヶ月ほど単身生活でした。
ようやく長女も無事誕生し、
首の据わるのを待って
妻がNYに長女と共にやってきたのは
クリスマス休暇間近の11月下旬でした。
それまでは独りぼっちで
寂しく暮らしていましたが、
家族3人揃ってのNY生活は
とても楽しいものになりました。
生活に必要な品々を求めて、
週末には家族揃って車で
ショッピングによく出かけました。
NYに住み始めたばかりと言うのに
妻は情報が豊富で、
マンハッタン近郊の
アウトレットショッピングモールは
ほとんど行きました。
日本の人がNYに旅行に来ると
必ず行くと言われているウッドベリーコモン・・・
ご存知でしょうか。
マンハッタンから車で
1時間ちょっとの郊外にある
アウトレットショッピングモールです。
http://www.premiumoutlets.com/outlets/outlet.asp?id=7
ある日のことです。
妻の希望でウッドベリーコモンに
向かって走っていました。
例によってマンハッタンを
抜ける道路は交通量が多く、
渋滞気味です。
ニュージャージー州を抜けて、
再びNY州に入った辺りで、
渋滞が解消され広々とした道路が
目の前に拓けました。
ここぞとばかりにアクセルを踏み込み、
スピードを上げて行くと、
気のせいか周りの車は、
相変わらずのろのろと走っています。
変だなぁとは思いましたが、
そのまますいすいと前を行く車を
追い抜いて走っていた時に、
ふいにバックミラーの視界に
パトカーの姿を発見。
どうやら緊急出動のようで、
屋根の青いライトを
くるくる回転させています。
瞬く間に僕に追いついて来そうになったので、
車線を左に移し、パトカーに進路を譲りました。
そうしたら、
何とパトカーも僕のあとを追って、
左に車線変更し、
おまけにヘッドライトを点滅させて
僕に停止するように合図を
送っているではありませんか。
その間約30秒位。
ようやく左側路側帯に停車をさせると
ハンドルに両手を置いて、
動かずにじっと警官がやってくるのを待ちました。
下手に動くと反抗の気配ありと判断されて、
拳銃を発砲されしまうと聞いていたからです。
映画のようにパトカーに
カーチェイスされて挙句、
停止命令を受けて、
警察官に職務質問を受けることが
現実のものになりました。
やってきたのは黒人の警官でした。
彼は事務的に僕に免許証の提示を求めて、
“制限速度50マイルの道路を
80マイルで走っていたから、
30マイルのスピード違反だ。”と言って、
違反チケットを切り、
裁判所に出頭するように言うと
サッと引き上げていきました。
結局、その後、裁判所には出頭せず、
郵便局で罰金を振り込んで、
僕のスピード違反は終わりました。
こんな経験、もう絶対にできないよなぁ~。
