以前の投稿(物理屋の経済学2 マネタリーベースと納税の意味)で、マネタリーベースというものの存在を認識していただけただろうか? 日々使用する現金や通帳に記載されている預金の合計をストックマネーと呼ぶが、ストックマネーとは絶対に交わることのない完全に孤立した閉鎖空間にのみ存在し、通貨の発行者である日銀・政府・銀行の間の決済のみに用いられるのがマネタリーベースである。
そして、通貨というものがただお店で商品の対価として支払うものという認識ではなく、その本質を理解していただけただろうか? 最大のポイントは、『銀行は預金で集めた資金を貸し出しているわけではない』と言う事。そして、それと同様に『日本政府も税金で集めた資金で国家の運営(政府支出)をしているわけではない』、と言う事になる。
『税金は財源ではない』、と耳にした事はないだろうか? 政府の支出は創造された通貨によってなされるのだから、税金は財源ではあり得ないのです。
そして、税金をなくして、全ての政府支出を国債や通貨発行で賄うことももちろん理論的には可能です。ただし、インフレを回避することは至難の業であり、税金とは結局通貨の価値を維持し、インフレを抑えるために存在すると考えてもらって構いません。
さて、その国債。時期はよく覚えていませんが、筆者が記憶する最初の『破綻する〜』ニュースは「国と地方の負債を足すと一千兆円を超えた、だから破綻する〜」というものでした。おそらく20年以上前だと思います。で、この時当然の疑問を覚えます。破綻するのは国?地方?どっち?と言うものです。全くマスコミの杜撰さと言うかまさにマスゴミと言うか言葉に困ってしまいますが、ほとんどのマスコミで報道されていたはずです。
一応念の為にもう少し補足すると、「山田さんと田中さんの借金を合わせると一億円を超えます、大変だ〜」なんて言われても、山田さんと田中さんのどっちが大変なのか全くわからないし、他人の借金を合計することに何の意味もありません。国と地方といえばどちらも公的存在なので、なんとなく合わせて考えてもいいような気がするかもしれませんが、完全に無意味です。ちなみに地方自治体の数をGeminiに聞いたところ1788と回答されました。そのうち負債が0の自治体は259(当時のデータではありませんが)それに国を足しているわけです。1788−259+1=1530の無関係な他人同士の借金を合計して大変だ〜。と全マスコミが騒ぎ立てていたのです。
バカでしょ?信じられる?
マスコミって結構なエリート集団のはずなんだけど。
さて、国債に関して、日本には極めて異例な「60年償還ルール」と呼ばれるものが存在します。それで、国債の累積残高を60等分して、毎年払うことが義務付けられています。つまり国債の累積残高の60分の1の額を毎年の予算の中に組み込んで、払い続けています。極めて異例と述べましたが、諸外国では、国債の元本に対する返済など行っていません。ではどうしているかと言うと、借り換えで済ませます。新たな国債で、満期になった国債の支払いをします。元本を返済しよう何て言うのはおそらく日本だけです。Geminiに「日本以外で元本の返済を毎年予算を組んで行う国はあるか?」と聞くとなかなかはっきり答えてくれませんが非常に少ないというような答えを返します。「非常に少ないということはいくつかあるのか?」と再質問しても具体的な答えは帰ってきません。おそらく確かなデータとしては一カ国も存在しないのだと筆者は判断しています。もちろん歴史的に元本の返済が世界のどの国においてもなされた事が無いなんて言うつもりはありません。何らかの理由で累積残高が減らされた国は存在します。が、自国通貨の国債では政府の債務(国債の累積残高)がいくらになろうともそもそも何の問題もないのです。
日本人はとても真っ当な人が多く、借金がいくら増えても構わないなんて信じられない人が多いと思います。しかし国家の負債はいくら増えても構わないのです。
人はいつか死にます。そのため、子供に借金を残したりしないために、そもそも借りっぱなしで迷惑をかけないために、死ぬ前に借金を完済しなければならないと考えます。もちろん子供が相続放棄すれば親の借金に苦しむことはないのですが⋯⋯。
国は死なないのです。政変で、政治体制が大きく転換したりしても国家としては存続します。新政府が旧政府の負債なんて新政府の責任ではない、と宣言したりすることもあるかもしれませんが、信用を失うだけの話です。そんな政府の発行する国債を買う人がいるでしょうか? 国債なしで、国家を運営することはできませんので、旧政府の借金だからといって踏み倒してしまえば、その新政府も早晩、次の政府に取って代わられるでしょう。
話を戻して、国債の返済ですが、毎年60分の1ずつ返済しているにも関わらず、ご存知のように、日本政府の債務残高は全く減っていません。それどころか増え続けています。繰り返しますが、累積残高が増えること自体は当たり前のことで、何も問題はないのですが、毎年予算を組んで返済するふりをしているのは国民を欺く行為ではないでしょうか? つまり、60分の1だけ返済際し、60分の59を借り換え、さらに国債を発行しているのに、財務省は返済していると主張しているわけです。バカです。もっともこれも「60年償還ルール」というバカルールがあるので仕方のないことですが⋯⋯。
もっとも財務省はバカルールに縛られているふりをしているだけで、日本以外のすべての国と同様に永遠に借り換えで良いということが一般に広まれば、「国債で破綻する〜」が嘘であり、30年何の意味もなく緊縮を続け、史上類を見ない30年続くデフレを引き起こし、国民を苦しめ続けてきたという事実が一般に広まる事を意味します。
国債の借り換えはすべての国で行われていることであり、何の問題もありません。60年償還ルールというものが存在することは事実ですが、財務省は「国債は返済の必要などなく、永遠に借り換えで構わない」という真実が広く公になることを必死で阻止しようとしています。国会議員や政治家ばかりか一般人のいわゆるインフルエンサー等にまでご説明と言う名のレクチャーをしています。レクチャーで語られる内容はデタラメなのですが。
国債の借り換えはすべての国で行われていることであり、何の問題もありません。日本の国債残高は1974年と2024年を比較すると、50年間で113倍に膨れ上がっています。別にそれで大変だ〜と言いたいわけではありません。50年で100倍以上になっても誰も困っていないのです。次の50年でさらに100倍になったとすると、100年間で1万倍以上ということになりますが、それでも誰も困らないのです。
もちろん、債務残高だけが増えて、経済成長を止めてしまった過去30年間は、非常に不健全な状態です。債務が増えてもそれ以上に経済成長するのが理想であり、そうであれば事実上債務は減少しているとみなして良いのです。
100万の収入で、50万の借金よりも200万の収入で90万の借金のほうが借金は少ないとみなして良いのです。
具体的には債務(国債)残高の対GDP比は小さいに越したことはありません。が、健全に経済成長していれば自然と小さくなるというだけの話で、別に大きいと破綻するというわけでもありません。円の発行元の日本政府がいくら円の借金を積み上げたところで、破綻など不可能です。
日本以外のすべての国で当たり前に行われている国債は返済などせず、借り換えで済ませていると言う事実が明らかになれば、これまで必死に緊縮し続けてきたことが誤りだと知られてしまうのです。デフレにもかかわらず、デフレ推進策でしかない緊縮を30年続けてきた事が誤りだったと知られる訳にはいかないのです。
必要な出費を削り続け、トンネルや上下水道管のメンテナンスを止めさせ、公共工事を激減させ、全国で2割の土建企業を潰し、3割の土建就労者を路頭に迷わせ、バブル崩壊からようやく立ち直ろうとしていた97年に゙トドメとばかりに消費税増税を実施した結果、30年間成長を止めてしまったのです。
きちんと政府が借金をすれば、日本は確実に成長します。狂った緊縮はやめよう。
財務省解体すべし。