「雅也さん、俺の彼女の友達とメールしない?」
こう言って彼は一枚のプリクラを見せてきた
彼とはこれ以前から何かと仲良くやってて、高校時代を一番長く過ごした友人K
そのKの彼女と、その友達だという子が写っているプリクラをもらった
条件は背の高い人が希望だという
俺の身長は171
クラスでも極平均的なものだったし、なんなら俺よりも高いのは何人も居た
たぶんKは、俺が最近振られたことを知って気を遣ってくれたのだと今でも思う
そしてとりあえずはプリクラを見る
正直、かわいい・・・これが第一印象だった
「友達を求めてるの?」
「とりあえず聞く限りはそうらしいけど、それ以上は雅成さん次第」
とか言って親指を立てるK
断る理由は無かった
当時はメル友の大ブーム
クラスでメル友が居ない奴はほとんど居なかったように思う
俺は一足早くにメル友というのに飽きてきた頃で
というよりも、そういうつながりに向かない人間だなと思い始めてる頃だった
ただこの子はとにかく美人だったし、まずない話だと二つ返事でメールを始めることにした
彼女の名前はmeg
それからは1日に100通を超えるやり取り・・・
最初の間は食事の最中もしていたしね
ほんとずっとメールばっかしてた
megは同い年で、和歌山に住んでる女子高生だった
当時の流行に漏れず、メル友が数人いるという子だった
俺に何人メル友が居るかという話になり、俺は飽きてたせいもあったし、何人も同時にしたら
誰に何を送ったかわからんくなる様な不器用な人間だからと答えると
「良い人っぽいね」と
当時の俺は高校に入ってからも続けていた陸上部の練習があり、睡眠時間と入浴中を除けば
唯一携帯を持っていない時間だったし、当然メールもストップ
練習が終わって携帯を見ればお疲れさまとメールがあるのが普通になった
彼女は何も部活をしてなくて、Kの彼女とよく学校帰りはどこかで話していたらしい
当時の彼女は複数のメル友を持ってたことや、俺のメールがまだかとクラブの練習中は1分に一回メール
の問い合わせをしていたらしいし、誰かと繋がってないと不安というのもあったのかも知れないと今は思う
けど、当時の俺は「俺の顔も何も知らないのにこんな可愛い子が俺からのメールを待ってくれてる」なん
てのぼせて喜んでた
そんな毎日のやりとりで少しずつ俺は彼女に惹かれていった
このmegとのやり取りを始めたのが年を明けての1月か2月だったと思う
ちょうどバレンタインの話題も出てたし
Kの彼女はもちろんKにあげるのだという話で、俺もmegから欲しいなってアピールしてた
といっても顔も知らない相手にそんな話はなく、ただ「あの子たち羨ましいなぁ~」って流されてた
当時の俺の携帯にはカメラは無かったし、まぁイケメンでもない俺が写真を送ったらそれで
終わるって怖さもあったしね
とにかく実際に会って知って欲しかった
そんな毎日の中、ついに実際に会おうという話になった
でも京都と和歌山は今でこそそれほど感じないけど、当時の俺達にしてはかなりな距離で
どうしようかという話になった
すると彼女が京都に行きたいと言う
日付は覚えてないけど、バレンタインから数日だったと思う
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待ち合わせは京都駅中央改札
日曜日の改札は待ち合わせの人でいっぱいだった
遠くに見えるエスカレーターから降りてくる人ばかりに目を凝らしてた
何本かの電車が行き過ぎ、人が吐き出されては乗り込んでいく・・・
「もうすぐ着くよ」というメールが着てからも、若い人が改札を出てきては誰かに迎えられていき、
『また違うのか・・・』って探し出す
そんな景色をどれだけ見た頃か、電車が到着して多くの人が改札を通過した後
一人改札を通ってくる若い女性が俺の前を横切る
ブーツを履いて、カバンは少しパンクロックっぽいボーイッシュな感じ
おもむろに携帯を取り出し電話を掛けてる
携帯はシールで豹柄になってた
『あれがそうならキツイな・・・』内心そんな風に思ってるその時、俺の携帯が震えだした
『えっ!?マジか??』
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さて、ようやく本題の彼女登場です
前回までのyukiさんの話は繋がりも何もないですw
ただ俺の心理的な部分ではかなり影響してまして、その辺りも絡められればと思います
そしてこのmegとのデートから俺の「初めて女性と会うときには雨が降る」という
不名誉なジンクスが始まるのです
実はこの日の予報は雨でして、「雨が降ったら相合傘だー」とかってメールしてたにも関わらず
傘を忘れましてW電車に乗ってから降り始めた雨を見て『あぁ!!』と激しく落ち込んだのを今でも覚えて
いますw