BOOK OFF買取価格の研究~新品同様の『Newton』はいくら?~『ちあきなおみ魂の熱唱!伝説の名曲20選』に出てきた「ボイン」という言葉の使われ方は?

 

末尾ルコ「昭和史と社会観察で、知性と感性を鍛えるレッスン」

 

 

7月某日午後、わたしはBOOK OFFの駐車場にいた。

車に積み込んだ段ボール箱を(どっこらしょ)と持ち出し、財布と免許証を持って店内へ入る。

段ボールを見止めた女性スタッフは待ち構えていたように、「本をお売りくださるのでしょうか」と声を掛けてくる。

話はすこぶる早いのである。

わたしはカウンターに(どっこらしょ)と段ボール箱を置く。

その中にはサイエンスマガジン『Newton』とそれに類する雑誌が27冊、そしてエメリヤーエンコ・ヒョードルを特集した『MMA Legend』という雑誌が1冊入っていた。

Newton』も『MMA Legend』もだいたい1000円強。

とは言え実は、『Newton』は自分で買ったものではなく、人から貰ったものだ。

その人は『Newton』定期購読状態ながら、どうやら読んでいる様子はない。

医療関係者だが、家計に余裕があり、惰性で毎号購入しているけれど、現実的には読む暇がない、あるいはさほど読む気もないといったところか。

貰えるものはもらう気満々のわたしであり、そして『Newton』の内容に興味はあれど、他に読むべき本がありすぎてなかなかそこまで時間を回せないわたしであれば、(売ろう)という気になるのも合点がいかなくもない。

合わせて28冊で、もし原価で購入すれば、「2万8千円強」となるこれら雑誌をBOOK OFFはいくらで購入するか・・・・。

結論を書こう。

 

「300円」である。

 

BOOK OFFが、例えば発売したばかりの人気コミックなど以外をやたらと驚くべき安値で買い叩くことはわたしも経験上知っていた。

しかし、「2万8千円強」だったもので、しかも新品同様の本が、「300円」に変身するという現実を目の当たりにして、初夏の白昼、周囲の景色がさらに白くなったのは言うまでもない。

もっと具体的に記しておけば、

 

Newton』など科学雑誌が、一冊10円。

MMA Legend』が、一冊30円だった。

 

・・・

 

7月8日に放送された、BSジャパン『ちあきなおみ魂の熱唱!伝説の名曲20選』がなかなかよかった。

同番組で取り上げられた局については適宜お話していきたいが、番組中に(あれっ?)と感じたのが、ちあきなおみデビュー当時のニュース映像的番組。

ちあきなおみが街を歩いたりショッピングをしたりというモノクロ映像に、ひじょ~に硬い感じの男性ナレーションがかぶされるのだけれど、その中のセリフに次のようなフレーズがあった。

 

「魅惑のハスキーボイス、そしてボインの恵まれたスタイル」

 

もちろん注目点は、「ボイン」である。

ふざけて言うのではなく、石部金吉のごとき硬そうなナレーターが真面目くさって、

 

「ボイン」と言う。

 

当時、「ボイン」という言葉はどのような位置づけだったか、さらに興味を増したのは言うまでもない。