従者キュミル | 救済ブログ

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emergency code

キュミルは瞳孔をギンギンに開かせ「人を殺したい!人を殺したい!」と叫び出した。


私とジェミニマで、落ち着かせようとしても興奮状態でまるで言う事を聞かない


私は、何時でも彼を粉砕出来る様に攻撃体制に入ったまま間合いのギリギリ外で静観した


声は届かないし、下手に触っても逆効果になるだけだ


本人の自制心で怒りを抑えこまない限り正気には戻れない



キュミルは、ジェミマに「殺していい?人を殺してもいい?」と尋ねた


ジェミニマは冷静に「駄目です」と短く答え、腰のホルスターに収納された銃に手を掛け、いつでも射撃出来る様に用心している。


彼は修羅の国の出身者でエクソシストでは無いものの、有名な王家の末裔で文武両道を誇る


悪魔と対峙する事など一度や2度では無いだろう。



私はキュミルに声を掛けた

「世界は君を中心に廻ってる訳じゃない!何でも自分の思い通りになると思うな!」


キュミルは「嫌だ!俺は楽しく無いと嫌なんだ!」と私を睨み付けた。


私は彼を睨み返し「それは小さい子供が自分の母親に言う我儘だろうが!甘えるな!!」と恫喝した。




キュミルは私に襲い掛かりたい衝動を必死に抑えている様だ


友達で有る私を、殺したい気持ちと仲良くしたい気持ちがキュミルの中でぐるぐると回っている


どちらが勝つのか、私は固唾を飲んで見守った。




キュミルは、大粒の涙を流しながら「誰か俺を殺してくれー!!」と嗚咽した


周囲には遠巻きに人集りが出来て、興味本位に物珍しそうに見る人達の嘲笑と雑言に溢れてた。



悪魔に産まれた以上は、この世界で人間達と生きて行くしか無い。


それは、とても過酷で死ぬよりも遥かに辛い事だ。


私は、キュミルを優しく抱きしめ「お前は悪く無い」と囁いた。


もしも私の手に負えなくなれば、エクソシストの名に掛けて即座に首を刎ねる。


私は彼を配下に置く事を決めた。