
10年前の大阪府立のG1メイン柴田vs中邑はセミの健介vs高山の
数年に一度のベストバウト級の試合により一気にハードルが上がり
くぐった方が楽なくらいだった。観客も大満足でこれ以上は出ないなと
思いが充満し、メイン序盤までセミのざわめきが残ったままだった。
柴田中邑戦はそのハードルを越えるではなくブッ壊して伝説になった。
10年後の北の大地で観てる方まで火傷する火花が飛び散るような
バチバチを希望したがそれは意外な試合展開だった。
2004年が己のイデオロギーを激しくぶつけ合う剣道なら
2014年は一撃で急所を狙うフェンシングのような試合で
張りつめた緊張感の中、息を飲みどちらかの有効打で
何かが始まるのか終わるのかそんな展開だった。

これは中邑が近年完成させた「プロレスラー中邑真輔」が要因で
デビューから2011年まで中邑は常に救世主や主人公、棚橋と共に
2枚看板の位置を求められ続けた。しかしオカダの急成長により
本人が希望するNo.2、ダークヒーロー、凄腕曲者ポジションを
堂々と振る舞えるようになった。実際魅力的で大ブレイクを果たした
が、同時に役に飲まれた感があり素の感情が出る事が無くなった。
「プロレスラー中邑真輔」の枠から絶対にはみ出さない。
誰もその空間を壊せないようになってしまっていた。

共に試合前のコメントに「特別話す事も思いも無い」と語った。
柴田はこの試合に肩のテーピングをせず。漏れ伝わる話では
相当悪く手術も必要かと憶測も飛ぶ中でのこの行動は特別以外
何物でも無い。淡々と、しかし虎視眈々と中邑を揺さぶる中で
何度も「素の中邑」が顔を出し、それを「プロレスラー中邑」が
必死に押さえ付ける場面が頻繁に見えた。
怒りの感情を出す事は自身の世界観の崩壊と浸食。
柴田のフィールドに引きずり出される事は負けるより負ける事。
最後の砦なのかと思った。そういう意味ではギリギリ死守したのか。

結果はgo2sleep→ PKで宝物の腕決め卍固めは出ず。
中邑が領域から出ないなら柴田も宝物は出さずと心理戦とみる。
柴田が勝った事は嬉しかったがこの試合どちらが勝っても内容が
絶対条件である。柴田は中邑を怒らせるならランドスライドから
PKを叩きこむべきである。昔から対戦相手の技を相手以上に上手く
使いこなすのが柴田である。
それとgo2sleep等のKENTA技は封印して欲しい
WWEでKENTAが仮に腕決め卍固めをフィニッシュにしたら
私は少し複雑な気分になると思う。

腕決め卍固めを出さなかったのは「NJCとは違う」
つまりもう負けない。優勝するぜとメッセージと受け止めたい!
仮に9月の神戸で中邑と再戦するならランドスライド→PK→腕決め卍
で連勝し激昂させて我を失う中邑が見たい。
イャオトラセブンvs激昂仮面
その為の10年間のお互いを知る前哨戦だと思う。