朝の情報番組で、「おひとりさま」と呼ばれる女性のライフスタイルを紹介していた。
「おひとりさま向上委員会」

 「おひとりさま」とは、”人間として当たり前の個が確立できていて、一人の時間も楽しく豊かに過ごせる大人の女性”ということらしい。その「おひとりさま」としての過ごし方について、番組では豪華なホテルでの宿泊・朝食、一人で過ごすランチに適したお店、一人でバーに入った時の振る舞いなどについて説明していた。

 言いたいことはわかるような気もするが、正直、失笑を禁じえなかった。内面的な人間の在り方などという話は一切なく、すべて形なのである。「一人の時間の過ごし方」と言えば片付けられる内容に、「おひとりさま」という名前と定義を与え、何か新しい生き方であるかのように仕立て上げただけのものではないのだろうか。

 人間として当たり前の個を確立するというのは、誰かの定義に従ってふるまうことなのだろうか?「おひとりさま」という肩書きと定義に自分を同化させることが、個の確立なのだろうか?それが「大人の女性」なのだろうか?形だけの行動パターンにアイデンティティを求めるというのは、いかにも浅はかで、幼稚ではないか。

 こういった、目新しさだけの定義に群がるのは、皮肉にも「幼稚な女性」と相場が決まっているものだ。