組織と個人では、組織のほうに力がある。ある組織に属する個人は、その組織に対して弱い立場にある。

 そこで、個人対個人であれば、常識的には到底あり得ないような非常識なことでも、組織対個人となると、常識的なことに見える。組織から個人への理不尽な要求、抑圧、統制、自由意志の剥奪などである。

 友人同士ならば怒りのあまり絶交してしまうような要求でも、相手が組織となると、唯々諾々と、あるいは憤慨しながらも結局は受け入れてしまう。組織側も、個人側も、それを当然のことと捉えている。

 組織をまとめる立場の人間は、組織の力=自分の力という勘違いをしやすい。そこで、組織の力を使って個人的、自己中心的な要求を振り回し、個人的な利益のために組織を動かそうとする。これを腐敗と呼ぶ。

 しかし、腐敗が進むと、組織に属する個人の、組織に対する反感が蓄積される。組織も個人の集まりである以上、組織に対して反感を持つ個人の数が一定量を超えると、崩壊を始める。組織として成立していることのメリットが個人に還元されないからである。