JRの列車が衝突したマンションの住人の一人が、テレビの取材に応えてこんなことを言っていた。

 「たくさんの人が亡くなった場所の上で生きるのは死んだ人に失礼だと思う。だからもうあのマンションには住めない」

 そう言いたくなるのもわかるが、実際のところ、人が死んだ場所では生活できないと言い出したら、どこにも住めなくなるのではないだろうか?現在人が生活している土地では、必ずいつかその場所で人が死んでいるはずだ。

 東京などは太平洋戦争の時の空襲で10万人もの人が死んでいるが、人はその上に再開発を重ね、繁栄を謳歌している。世界中、人が暮らしている場所には、特に繁栄している都市には、血塗られた歴史があるものだ。

 人間に限らず、全ての生命は、それ以上の膨大な死の上に成り立っているという現実を忘れてはいないだろうか?