FIP(猫伝染性腹膜炎) 診断 | 獣医とノルウェージャンフォレストキャット マリアの腎臓闘病生活

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今年で4歳を迎えた我が家の愛猫マリアについてのブログです。若くして腎臓病になった我が子にしてあげられる事を書き記していきます。獣医師として同じ境遇に置かれた猫ちゃん、又は飼い主様の心の支えになれればと思います。


生前に確定診断を下すことは難しい病気だと思います。
ほとんどの場合は、FIPの可能性が極めてい高いという状態で止まるのではないでしょうか。

血液検査ではリンパ球の減少、好中球の増加、総蛋白の増加、A/G比(アルブミン/グロブリン比)の低下、貧血、血小板減少などを示しますが、症状と同じく、FIPに特異的といったものではありません。
コロナウイルスに対しての抗体価を測定することも可能ですが、上昇していたとしてもFIPVとFECVのどちらで上昇しているか区別することまではできません。

wet typeであれば胸水、腹水を検体にコロナウイルスの遺伝子や抗体を検出することができるかもしれません。この場合もFIPVとFECVの区別ができないのは変わらないのですが、通常FECVは消化管の局所感染のみで全身感染には至らないため、可能性の域を出ませんが
かなりFIPVに寄るものと言えるのではないでしょうか。

この他、生検により病理組織を採取し、免疫染色及び蛍光抗体法によりコロナウイルスを検出できれば確定診断とできるのですが、容易に行える検査ではないためなかなか実施されないのが現状です。

マリアも腎臓組織が採取できればFIPの可能性についてかなり核心に迫れるのですが、別記事で述べたように少しハードルが高く感じています。


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