さて最後のお話にしましょう。
皆さん幽霊って見たことありますか?
そういうの見える人っているのでしょうけど私は見えない人です。
怖いからそういうの見たくないしね。
ただ1回も見たことないというわけでもないです。
そんなお話をいたしましょう。
あれは高校生だったときの夏休み。
実家の和室で昼寝をしており、夕方になって目が覚めました。
和室の縁側から先の庭では父が水まきをしていました。
隣のダイニングキッチンでは母が夕食作りを始めているのが音でわかりました。
目は覚めたけど今起きていったら色々手伝わされちゃうなぁ…。
ちょっとめんどくさいからまだ寝たふりしとこ。。。
するとその時、部屋の入り口から誰か入ってきました。
あ、やべ! 寝たふり寝たふり~。
誰かが寝ている私の枕元を通り過ぎて布団の角のところで曲がりました。
うす目を開けて様子をうかがうと、私の足元の方へ歩いていく ”足” が見えました。
スカートで靴下を履いてたので母だと思いました。
その先には箪笥があったので、母が洗濯物を片付けにきたと思ったのです。
ところがその足は、私の足元まできたらまた曲がって布団の形のまま進む。
あれ? おかしいな…
と思った瞬間!
その足はものすごい速さで私の寝ている布団の周りをぐるぐると廻り出しました!
そして金縛り!
え?え?え? 何コレ?
それまでに何度か金縛りになったことはありますが、それは半分眠ってるような時です。
そしてそのまま眠ってしまってわからないまま終わるというのが常でした。
でも今回は違う!
はっきりと目が覚めていて頭も完全に冴えてる。
足はどんどんスピードを上げてもはや足にも見えない。
ただ何かが高速で私の布団の周りをぐるぐると廻っている!
金縛りもひどくなっていく。
ヤバイ!ヤバイ! どーしよ!
あ!金縛りって体の一箇所でも動かすことができたら解けるって聞いたことある!
その時の私は仰向けで片足を立膝にして寝ていました。
動かすならこの立膝しかない!
必死でなんとか立てていた膝をパタンと倒した途端、金縛りが解けました。
そして足もいなくなっていました。
すぐに部屋を飛び出しキッチンの母に「今誰か部屋に入って来なかった?」と聞きましたが「誰も入ってないよ~」とのんきな声が返ってきました。
庭にいた父にも聞きましたが答えは同じでした。
家には両親と私しかいなかったのに…。
あれから私は布団を敷いて寝るときには、壁に近いところに布団を敷くようにしています。
誰かにぐるぐる廻られないように…。
ひゃ~~~~~~!!!
もう一つ。
数年前、義父が亡くなりました。
私は義父が大好きでした。
どちらかといえば寡黙な人でしたが、愛嬌があるというか一緒にいて気分のいい人でした。
私が結婚する少し前から体を壊し、最後2年くらいは自宅で闘病生活をしていました。
義母は”仕事命”な人だったので
近所に住んでいた私が毎日実家へ通い、病院の付添いや食事など義父の面倒を見ていました。
私が大阪を離れ九州で暮らすことになった時、一つだけ決めたことがありました。
”絶対に家族を嫌いにならない”ってことです。
誰も知らない土地で暮らすのに、知ってるのはリリーの両親と義妹夫婦だけ。
その家族を嫌いになってしまったら自分がしんどい。
人を嫌うということは、ものすごく自分を追い詰めて制約してしまうことです。
そんなことしたら絶対にこの土地で暮らしていけない!
何が合ってもいいとこだけを見て、絶対嫌いにならずにやっていこうと決めました。
ま、それでも多少はありますやん、ニンゲンダモノw
それでもなんとかやってこれたのは、義父のおかげが大きかったです。
とてもかわいがってもらったと思いますし、本当にいろんな面でお世話になったと思います。
人としてとても大好きな義父でした。
そんな義父とのお別れは突然でした。
ある日曜日の夜に家族みんなで実家へ行き、両親と一緒に夕食を食べました。
21時くらいに「じゃお父さん、また来週きますね~」と言って実家を出ました。
23時過ぎに突然リリーの携帯が鳴りました。
それは義母からの連絡で
そのときにはもう義父は集中治療室で心臓マッサージを受けていました。
そのまま亡くなりました。
つい2~3時間前まで笑顔でお話していた義父でしたのに…。
本当に突然でした。
翌日、バタバタとした葬儀会社との打ち合わせも終わり
実家のリビングでリリーと私の二人だけでぼーっとしていた時です。
突然
『 おい!』
ハッと顔をあげるとリリーと目が合いました。
「 聞こえた?」
「 うん、聞こえた 」
「 お父さんの声だったよね 」
私達がいたリビングの隣の部屋に、義父のベッドがありました。
いつも寝ていたそのベッドの方から
いつもの義父の声で言い方で
「おい!」
って。
「父ちゃん…」
リリーが一言漏らしましたが、それ以外は二人共何も話しませんでした。
私達だけがはっきり聞いた亡き義父の声でした。
あれからもう何年も経ちます。
今でも義父のことを思うと涙が出ます。
大好きでした。感謝でいっぱいです。
あのとき義父の声が聴けたのは、私にとっては優しい思い出です。
お盆も終わりますね。
ただいま
おかえり
またね
日本の夏ですねぇ。
では今日のところはこのへんで。
ごっきげんよぉ〜〜♪( ´θ`)ノ
近所の温泉に行ったとき。
そこは営利目的ではないこじんまりした温泉で、いつも清潔にお掃除されて
しかもお客さんが少ないのでよく利用します。
広めの内風呂とそのガラス張りの壁を隔てて、外庭に露天風呂があります。
その露天風呂で娘とゆっくりおしゃべ
その日もそろそろ露天風呂へ行こうかなと、湯気で少し曇ったガラス越しに外を見てみると
岩で作られた露天風呂の端に、髪をタオルで巻いたおばちゃんが脚を組んで座ってる。
「あ~、先客がいるな~」
と思ったけど、まぁそれなりに広い露天風呂なのでおばちゃん一人いるくらいならいいか。
そのおばちゃんを横目で見ながら外庭への入り口から露天風呂へ行くと
おばちゃんがいない。
おばちゃんどころか、露天風呂には誰もいない。
あれ? いたよね?
おばち