「うつ病について考える①」
今回は気分障害のなかの“うつ病について”を
お送りいたします。
皆さんは怠け病という言葉を聞くと何を思い浮かべ
ますか?
●「体調悪い…」と言いつつその日遊びに行く…
●いつもだるそうだけど遊びに行くときは元気…
●なんか文句ばっかり言う…
などなどいろいろなイメージがあるかと思いますが、
かつてうつ病は怠け病と言われていました。
ということは皆さまの怠け病のイメージがうつ病の
イメージとイコールだった時代があったわけです。
もう一つ、うつ病は心の風邪という言葉を皆さま一度は
聞いたことがあるかと思いますが、心が風邪をひくって…
どういうことなんでしょうか。
この言葉の意味は「うつ病は誰でもかかってしまう、
まるで風邪のようなもの。しかし、治るものなんですよ」
と聞いたことがあります。
私が専門学生のとき、実習担当の熱血ワーカーに「俺は
“うつ病は心の風邪だ”という奴が大嫌いだ」と言われた
ことがあります。
私が不思議そうな顔をしていると「お前心はどこにある?」
と聞かれ、私は心臓あたりを指さしました。
「そこは心臓だろ。そこが風邪ひくとうつ病になるんか」と
バカにされ、次の質問を私にしました。
「辛いとか悲しいとかをお前はどこで感じるんだ?どこで
考えるんだ?」
ハッとして私は「…頭?脳?ですね」と答えました。
統合失調症のときにもお伝えいたしましたが、うつ病も脳内
物質が関与しているという説があります。
他にも遺伝である…もともとそういう気質がある…などいろ
いろ説はありますが、うつ病の種類によっても(外因性・内因性・
心因性)異なりますし、ややこしくなってしまうので今回は割愛
させていただきます。
いずれにせよ、その熱血ワーカーが伝えたかったことは、
「風邪なんかより辛いし、苦しんだ!頭の中がこんがらがって
ぐちゃぐちゃして本人にしかわからない苦しみに悩まされるんだ」
ということであり、
世間に広まってしまった“そんなに重い病気ではない”という
イメージが許せないという熱い想いだったのです。