古書店で、
かわいい装丁の「檸檬」を見つけた。
その店には珍しい檸檬が出ていたのだ
まさに、そんな感じだ。
僕の実家は両親が喫茶店を経営していた。
その喫茶店の名前が檸檬。
だから僕にとって檸檬という名は身体の一部なんだ。
そんな理由で、
梶井基次郎の檸檬は僕の愛読書になった。
僕の好きなくだりは、
いったい私はあの檸檬が好きだ。
レモンエロウの絵具をチューブから
搾り出して固めたようなあの単純な色も、
それからあの丈の詰まった紡錘形の恰好も。
僕の本棚の -その城壁の頂きに-
さっき買ったばかりの檸檬を並べる。
そして、それは上できだった。













