婦人科診療のことで頭がいっぱい。もちろん仕事の絡み。
婦人病・月経トラブル・更年期障害・不妊・避妊・中絶などなど…男性故その苦しみを実感することはできないが、以前までの意識を一変させられた。近年の日本においては、初潮の低年齢化、晩婚化、少子化、閉経の高齢化、社会進出によるストレス等により、女性の卵巣・子宮への負担は増大傾向にある。特定検診や集団検診の影響で受診機会は拡大しているとは言え、今なお女性にとって婦人科を受診する行為は億劫なことなのではないだろうか。
ところで、日本は欧米に比べてOC(低容量ピル)の普及率が極端に低い。(ドイツ約50%/フランス約40%/日本約3%) これは子宮・卵巣に不安を抱える現代女性とって好ましい状況とは言えない。OCの主作用はもちろん避妊だが、月経痛や月経不順等への副効用があり、服用者の中にはこの副効用を目的としている場合が少なくない。もちろん禁忌・副作用はあるが、実際に周辺の服用者数人に話を聞かせてもらったところ、概ねメリットの方が大きいとの回答だった。(協力してくださった方、ありがとうございました。)
主作用の避妊においてもリプロダクティブ・ヘルスの観点から、女性が積極的にバースコントロールに関わる意義は大きい。ただし性感染症対策としては無力だから、男性女性の両者がそれぞれに自己対策…というのが基本ではある。「性の乱れ」など道徳観念に基づいた懸念の声もあるが、現実問題として女性が受ける苦しみに考慮を払うべきだろう。
低いOC普及率の要因としては、国内認可の遅れや強い副作用への先入観が大きい。しかし婦人科受診への心理的距離もその一因かもしれない。婦人科のWebサイトを見回してみると、その距離を縮めようとする腐心の跡が見て取れる。特に分娩を扱わない婦人科はターゲットを絞っているため、受診への抵抗感払拭に重点を置いたサイトが多いように思われる。そもそも産科と婦人科では受診動機が真逆である場合も多い。産婦人科を標榜する医院であれば、待合室や導線を完全に区別するといった点にも配慮すべきだ。
現代の女性はPMS、子宮筋腫、子宮内膜症、各種癌、…といった婦人病の危険に晒されている。芸能人の告白やピンクリボン活動によって、これらの周知・啓発も広がっているはずだ。このような社会的ニーズに応えるように、今後は婦人科も変化していくだろう。女性特有の悩みがあるならば、一刻も早く医師に診てもらうことが大切です。