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事務所から一筋もいかないチャリ屋。店のおっちゃんにクセがありそうで、これまで足を踏み入れることを躊躇していた。

大阪資本・多店舗展開のチャリ屋が続々と出店するこの界隈で、その対極を示すようなお店。


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今日はどうしても空気を入れる必要があって、恐る恐る入ってみる。噂は聞いていたけど、ごちゃってる店の奥にはデッドストックらしきものも。オートバイのホイールで知っていた「カンパニョーロ」で埋め尽くされたやつとか。ボクに審美の目はないのでその価値は判断しかねるが。


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「空気入れさせてもらえますか?」と聞くと、あっさり店先の空気入れを指してくれる。でも形が合わない。「それ合わんわ」と言われるも、まあそんなこともあるやろと諦める。そのまま店を後にするのも愛想がないので、おっちゃんに話かけてみることに。


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まず驚いたのは、おっちゃんが83歳だってこと。ご自身曰く「もう今は、やる気がある時だけ仕事して…」。時々だとしても「やる気」が起こることが凄い。というのは80歳代を侮りすぎだろうか。とにかく、想像とは反し機嫌良くしゃべってもらえてホッとする。


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この業界はもう65年も続けているとのこと。色々な事情がおありになって、しんどいながらも店を続けなければならないのかもしれない。

けれど、ボクにとっては80代の方とお話しする機会を持てたことに感謝したい。


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最近では雑然とした店の雰囲気に誘われ、貴重な古い商品を譲ってくれという客も増えてきたらしい。昨今のチャリブームはおっちゃんの目にどう映っているんだろうか。今度何か購入するついでにそんなことを聞いてみたいと思った。


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で、帰ろうとすると、「ちょっと見せてみ」と止められ、エアツールでさくっとパンパンにしてくれた。どうやら「やる気」になってくれたみたい。(笑)

最後は、一銭も払っていないボクに、店の外まで出てきて「ありがとう」と言葉をかけてくれた。

わずか10分程度だったが、気持ちのよい時間を過ごせた。