伊勢神宮
ここは、国の施設かと思っていた。という方にお会いすることもたまにある。
また、国の予算で運営されていると思っている方もいる。
たしかに、明治以降、昭和20年敗戦までは、そうでしたが。
もちろん占領軍の政教分離命令により、国の施設ではなくなりました。
でも、首相ら政府要人も毎年こられる。
そして、サミットで、首相自らG7の要人をご案内したように、まさに国のこころというべき場所です。
神道政治連盟国会議員懇談会には、首相以下、多くの議員が参加しています。
今でも、神社本庁、日本会議をはじめ、多くの政治経済界の要人が伊勢神宮を支えておられる。
遷宮の巨額の費用も、それらの寄付金が大きな比率を占めます。
ある意味で、今でも政治が神宮を支えていると言えます。
この神宮に集まる支援は、他の神社とは別格です。
「日本人のこころのふるさと」だからなのでしょうか。
そのような表現が使われだしたのいつからなのでしょう。
なぜ、こころのふるさとなのでしょう。
かつて、天皇のご先祖である天照大御神が祀ってあるから。
すなわち、国の象徴のご先祖がこちらに祀られているから。といわれていました。
でも、今は、そのような表現は避けていますし、そのように思って参拝している方は少ないでしょう。
遥か昔、
天武天皇が、中国や大陸からの脅威に対し、また天皇の権威が神授されることを示すためにも、日本のカミをここに祀ったといわれます。
正史である、日本書紀は、そのことを明確にするために編纂がされました。
江戸時代は、民衆の娯楽も兼ねた参宮容認で、ガス抜き効果がありましたが。
明治天皇は、欧米諸国に対し、日本を守るためにも、国家神道を体系的に整備し、国の大きな支えにしていきました。日本が厳しい国際情勢のなかで成長してきた事にも、神宮は貢献しています。もちろん、軍部による過度な神道の利用は別の問題ですが。戦前、朝鮮、台湾や南洋諸島、シンガポールなどにも神社を設け、天照を祀ったことも、忘れてはなりません。
今も、首相はこの天皇の先祖神を大切に考えておられるようです。天皇は、その神を先祖にもつ特別な存在です。 占領軍により「人間宣言」させられましたが、人間でありながら、特別なのです。
そのことは、現首相が大阪の某神道幼稚園にいたく感銘し、またその小学校の建設を強く応援したことで明確です。それに同調する大臣を防衛にも充てていることは、多少の心配はあるものの心強いものです。
天武天皇や元寇、明治、大正、昭和時代と同様、現代のきびしい国際情勢を乗り切り、さらに国民の平和と幸せを実現することを、首相らは神に祈っているのではないでしょうか。
個人の信教の自由は、たとえ政治家であろうと保証されています。
もっとも、庶民としては、政治的に作られた天照大御神の体系より、伊勢の地に朝廷が政治的な神を祀るまえの原始宗教、磐座や川、杜への祀りに惹かれるものがあります。
磯部や縄文期からの伊勢の人々の祀りを知りたいと思います。
神宮磐座
内宮 正殿の北で、放置されている磐座。この真東に朝熊山頂上の磐座があります。
もともと縄文期よりこの地の人々の祀りの場所だったといわれています。
江戸時代は、岩井神社とも呼ばれ、参拝の対象でした。
明治政府は、この場所に人々が参るのを禁止し、さらに放置しました。
でも、すぐ隣の場所で、遷宮のはじめに山口祭(山の口に坐す神)が行われますので、
朝廷政府には言えない、地元神への思いがひそかに続いていると思います。
伊勢神宮と国とのつながり、たいへん興味深いです。
(神道は国家の重要人物が、応援していますし、首相夫妻はじめ、明治天皇の教育勅語もその良さを口にする人も多いです。1300年前、国家の神として、伊勢に皇祖神を祀った天武天皇の想いは今も引き継がれています。ただし庶民の神道とは区別して新国家神道というべきでしょうか。)
2018年12月


