第一話 奴隷国日本
2,014年7月日本国にとって歴史的な事件が起きた。
そう、皆さんご存知の閣議決定による憲法9条の改変である。
この物語は、フィクションだが、現実の恐怖と可能性も含まれていることを
予めお話しておきたい。
2020年日本の人口はついに数千人にまで数を減らした。
なぜこんなことになってしまったんだろう。
俺の名前は、兵藤 光。
これでももう40すぎのおっさんだ。
日本が安全で、経済大国として世界を席巻していた時代はもう昔のことのようだ。
今では、銃の携行は当たり前。子供も自分の身を守る訓練を行っている。
今はまだ、他国が一時休止の指令を周りにだしているようだ。
時間があるようなので、少し過去の話をお話しよう。
俺もあの時、不吉な予感がしていたが、まさか現実のものになるとは
考えてもみなかった。やはり日本国民は平和に慣れすぎてしまったと
いわざるをえない。
なぜもっと強硬に閣議決定を反対しなかったんだろうか。
あの時の日本国首相はすでに、傀儡となっていたとも知らずに・・・・
簡単にいうと、日本はアメリカから中国に売られたのだ。
アメリカも不景気が続く中、世界大戦から50年がたち、
日本の凄さを知ると同時に日本との取引に限界を感じていた。
そんな中、新たなパートナーに魅力を感じるのもさもありなんというわけだ。
日本の10倍の人口を持ち、生産力・経済力・規模・兵力どれをとっても
日本の代わりにはうってつけだった。
ちょうどあの頃、中国は国内の体勢を整えるために打倒日本を掲げて
共通の敵を倒すという目的により増税、軍備拡大を図ることができたのだ。
今回の事件の発端、閣議決定に目を向け直すことにしよう。
からくりはこうなる。まず、日本を中国にアメリカは100兆円という大金で
販売した。アメリカは契約の一部金を手に入れると傀儡として育てていた日本首相に
圧力をかけ、閣議決定を促す。
もちろん日本への表向きは、パートナーとしての絆を強固にするものであると
説いた上でである。
一部の頭の良い日本国民はもうお気づきだと思うが、この閣議決定は、
日本にとって何の利益も生まない国民を恐怖に陥れるだけの最低の法案である。
それはなぜか?
日本はパートナーとなった他国に協力し、自衛隊を海外に派遣義務が課せられるのだ。
つまり、自国の守備はこれで薄くなっていった。
さらにいつアメリカや他国と組み、自国を侵害されるかわからない近隣諸国は、
先手を打って日本に派兵できるという口実を手に入れることになったのだ。
これにより以前より日本に目をつけていた中国が、日本に攻めることは
風前の灯であった。さらに怖いからくりとして中国は北朝鮮ともつながっていた。
アジアを中国・北朝鮮連合が手に入れるための資金と奴隷確保、技術力強化のため
日本をアメリカから買ったのだ。
閣議決定が決まってからの中国国民への洗脳はたやすかったことだろう。
日本は危ない。先に中国のものにしてしまうべきだ。
閣議決定は、日本の弱体化と他国の戦争への引き金という最悪の選択を
するものであったのである。
幸運というべきか生き残った日本人はロボット工場の近くで生活している人々であった。
人の防護のためのパワードスーツが密かに開発されていたのである。
しかし、突然の他国の侵入と攻撃により何の戦争や複数テロへの警備を行ってこなかった
平和ぼけした日本人たちには、他国から自国や自分を守るすべは皆無であった。
すでに人口もあらゆる国の侵害により数千人となった火の国日本に残された手段は
ロボット工学による新兵器開発と次元操作タイムトラベルを可能にする技術が
作れるかどうかにかかっていた。