選ばれた3人の指導者

 一人は自分の思うがままに気に入らないやつを消していく独裁者
 
 一人は自分に好意を抱いてくれるものを守るためなら命をかける義の指導者

 もう一人は全ての人の中立と尊厳を守る平和主義の指導者

 その一見、性格を異にする彼らには唯一の共通点が存在した。

 世界は自分のために存在し、自分の思いのままである。

 自分が消える時は、世界も消えるものだと確信していた。

 世界とは自分のために作られた遊戯場、僕の世界であるとそれぞれが

 考えていたのだった。


 (暴君誕生)
 
 明仁は、根っからの指導者だった。

 彼は物心ついた時から世界は自分中心に存在しているのだと確信していた。

 ある日、ベビーシッターは、彼のわがままとうるささに嫌気がさし、

 仕事である育児を放棄し、ミルクを与えるのを忘れていた。

 明仁は空腹のあまり、意識がとぶような感覚をうけ、ミルクを与えないものに対し、

 鋭い殺意を生まれて初めて覚えた。

  するとその老婆の体が急に光だした。


 何が起こったかわからないまま光に包まれた瞬間、老婆の姿はあっさりと消え去った。

 明仁は、幼い中で感じていた。

 自分(明仁)が、嫌いな老婆を消したのだと。