「なんとなく地獄」@神保町花月


11月7日(日)に行きました。(千秋楽でした)


(出演) POISON GIRL BAND・阿部、吉田

     囲碁将棋・文田・根建

     ライス・関町、田所

     畑中しんじろう             (順不同・敬称略)


(あらすじ)*アリとアリジゴクのお話です。表現など正確でないところも

        多々ありますので「こんな感じだったのね」くらいでお読み下さると嬉しいです。


エサを巣に運ぶ途中でアリ地獄に落ちてしまったアマノ(根建)とサトウ(阿部)。

アリジゴクは「生き延びたかったら『お話』をして俺を楽しませろ」

指名されたサトウは『女王アリとのお話』を。

アリジゴクに気に入られ、二人は次の「『お話』の時間」まで生き延びた。


そこへ同じくアリ地獄に落ちてしまったアリ達がやってきた。

リーダー格のトガシ(田所)、トガシにペコペコするカネヒラ(文田)、オドオドと

落ち着きの無いシオザキ(畑中)、食料の在庫管理担当でトガシにつまみ食いを

激しく咎められたクリヤマ(関町)。

トガシは『お話』を作る天才で、皆トガシから『お話』をもらっている為言いなりになっていた。


先ほどサトウがした『お話』は、実はアマノの実話だった。

アマノに謝り、『お話』を違うアリに渡してもよいかアリジゴクに聞きに行くサトウ。


アリジゴクは「誰の話でもかまわない。楽しませてくれればそれでいい。」

アリジゴクはそんなことを聞きにきたサトウに関心を持ったようだった。


一方アマノは『お話』が作れないのでトガシに服従することで『お話』をもらうことに。


「『お話』返すよ」戻ってきたサトウがアマノに言うも

「俺はトガシさんから『お話』もらうからいいよ」


それを聞きつけたクリヤマが「その『お話』ちょうだい。ここでは誰の話をしてもいいんだ。

いざとなったら『お話』を奪う事だってできるんだからね」


次の『お話』の時間。


アリジゴクの前に一列に並ばされ、後ろをむかされる。

肩をたたかれ名前を呼ばれたモノが『お話』をする。


アマノはトガシからもらった『透明アリのお話』で、なんとかしのぐ。


クリヤマはサトウがした『お話』の続きをするも、「つまらん」と射殺されてしまう。

「魂のこもっていない『お話』はつまらない」


サトウは『アリのお話を聴くアリジゴクのお話』をし、一人残るように言われる。

「何故そんな話をしたのか」「俺はお前が思っているよりもややこしい生き物だ」

そして、自分は太陽に目を焼かれて目が見えないこと、アリ達の動きは音で

聞き分けていることを話す。

そして「命をかけて『お話』をしろ」と。

その人の気持ちになって『お話』をするのが好きなサトウは、嬉しそうにうなずく。


クリヤマが自分があげた『お話』以外の『お話』をしたことに腹を立てるトガシ。

そして「そもそもこんなことになったのは・・・」とアマノにサトウを殺すように言う。

「天才は二人はいらないんだ」


皆の元へ戻ってきたサトウは、アリジゴクは目が見えないこと、自分達の動きは

音で聞き分けていることを伝える。


「目が見えないのなら、皆で力を合わせれば倒せるんじゃないか」と意気込むアマノに

「そんなこととっくに知ってたよ」とトガシ。


「巣に戻ってまた一生死ぬまで働かされるより、ここで『お話』を作っていたほうが楽だ」


「ひどい!」と叫ぶシオザキに「お前なんか巣に戻ったところで何の役にも立たないさ。

この役立たずがっ!!」


怒り心頭のシオザキは勢いあまってトガシを殺してしまう。


『お話』がもらえなくなってしまったことに頭を抱えるカネヒラ。


次の『お話』の時間。


指名されたシオザキは『お話』が出来ずに殺されてしまう。


アマノはカネヒラにアリジゴクを倒そうと持ちかける。

もともと落ちる前から「アリ地獄なんて名前つけられて可哀相だよ」と同情的だった

サトウは「ボクは『お話』をしてアリジゴクを癒してあげたい」


「それじゃぁ本末転等だろっ」「お前のこと信じてるからな」とアマノ。


そして『お話』の時間。


サトウの『お話』を聴いているアリジゴクの背後から襲い掛かるアマノとカネヒラ。

「やった!倒した」と喜ぶアマノに「まだ『お話』の続きがあったのに」とサトウ。


すると倒れたアリジゴクが最後の力を振り絞ってアマノの背中に発砲。

「まだ生きてやりたいことがいっぱいあったのに・・・」

息絶えるアマノ。どこかへ逃げ去るカネヒラ。


「さぁ、続きを・・・」

「そんなに『お話』が聴きたいんだ。どこへでも連れて行ってあげるよ。どこがいい」

「・・・地獄。これから俺が行くところだ・・・」


いつも『お話』を聞く時に座っていた石に腰掛け、がっくりと首を落とすアリジゴク。

その背後に回るサトウ。「じゃぁ行くよ」



黒いスーツのアリと白いスーツのアリジゴク。

その対比と、舞台上に置かれた大小4つのモニターに映し出される

「緑の葉の上で働くアリ達」「アリ地獄に落ちていくアリ」の映像の対比が印象的でした。


阿部さんの、演技なのかキャラなのか、はたまた天然なのか分からないところが

また良くて、トツトツと語る

「アリジゴクは砂と空しか見たことがなかったので、アリ達の『お話』を聞くのが

楽しみでした」や

「アリジゴクは、いつかアリ達が話していた景色がふってくるんじゃないかと思って

ずっと空を上げていました。するとある日太陽がやってきて、アリジゴクの目は焼かれ

何も見えなくなってしまいました」

などの『お話』は、ジーンとくるものがありました。

(一緒に行った娘曰く「お母さんの後ろに座ってた人、泣いてたよ」)


対する吉田さんは終始感情を見せることなくクール。

だからこそ最後のシーンが活きるのかもしれません。


ラストでアリジゴクの後ろにサトウが立つことで

その刹那、アリジゴクにも美しい景色が見えたのではないかしら・・・と思ったりもして(^_^;)


また、田所さんの狡賢いトガシ役の上手いこと!

演技が上手なのもさることながら、声がいいですねぇ。

(実は田所さんが出演されるというので観に行きました)

他のお芝居も是非観てみたいです。


最初の石に挟まったエサを取るシーンと、アリ達の自己紹介シーンは若干「長い・・・」

と感じました(^_^;)


途中で心が折れ、メイクを取った畑中さん。

シャンプー頭で登場し、耳にシャンプーが入って痛くなってしまった関町さん。

スーツもダボダボでしたね(^_^;)

熱演だった根建さん。

実は技巧派(?)な文田さん。



皆さんありがとうございました♪