エイジレスの208回 がん細胞を効果的に傷害する“薬効ルール”を発見!

 

 

 日本の原因疾患別死亡者数は、悪性腫瘍が35年連続で1位であり、2015年度は、死亡者数129万0428人のうち、ガンによる死者数は37万0131人で、死亡者総数に対する割合は28.7%となっています。

 

 いろんな方が、色んな方法で、ガン撲滅に頑張っているにも関わらず、相変わらず、高い割合を示しています。

 

 今回のお話は、そんな状況に対して、朗報となるお話です。

 

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【概要】
 熊谷 泉(東北大学名誉教授)らの研究グループは、がん細胞を効果的に傷害でき、治療薬として有望な組換え抗体分子を簡便にスクリーニングする手法の開発に成功しました。


 研究グループは、実際にこの手法を用いることでがん細胞に対して、従来より約 1 千倍高い薬効を示す組換え抗体の創製に成功し、また高い薬効を示す組換え抗体に共通した特徴を明らかにすることができました。

 

 本スクリーニング手法の確立により、組換え型がん治療抗体開発の更なる加速が期待されます。

 

【本研究の成果】
 研究グループは発現遺伝子ベクターの効率的な作製法、組換え抗体の簡易的な精製のみを介した簡便な薬効評価法を開発することで、組合せの網羅的な検討を可能とするプロセスを構築しました。


 これを実証するために、実際に 100 を超えるディアボディを網羅的に作製し、開発した薬効評価法を用いてスクリーニングを行ったところ、従来よりも 1 千倍高い薬効を示すディアボディの創製に成功しました。


 さらに、スクリーニングで選抜されてきた高薬効型ディアボディ群の諸特性を比較したところ、

 

 「LH 型と呼ばれる構造設計が高薬効を発現しやすいこと」、

 

 「効果的に薬効を発現できるエピトープ(抗体が認識する領域)が存在すること」、

 

さらには、

「リンパ球に対する結合力より、がん細胞に対する結合力の方が薬効発現に重要であること」

 

等の薬効発現に大きく関わる“薬効ルール” を見出すことにも成功しました。

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 つまり、薬の使い方で、従来の1000倍もの効果があったということです。

 

 新たな薬を開発するわけではありませんので、実用化も早そうですし、効果も大きそうな話です。

 

 現在、罹患中の方にも間に合うかもしれません。

 

 心待ちにしておいてください。