エイジレスの207回 亜鉛トランスポーター制御による新規乳がん治療法の開発

 

 

 亜鉛トランスポーターシリーズの3回目です。

 

 別に、シリーズ化するつもりはなかったのですが、研究が盛んなようで、論文ネタがゴロゴロしています。

 

 今回は、乳がんの治療にも、亜鉛トランスポーターが使えるかもしれないというお話です。(ZOP6、ZIP10という名前で出てきます。)

 

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 糖尿病は,乳がんの死亡リスクを有意に増大させ,糖尿病の有無により乳がん治療法の選択や効果に違いがあるとの疫学的エビデンスが得られている。

 

 その中で,がん悪性化の重要な因子である浸潤・転移に焦点を当てたところ,高濃度グルコース環境と生体レベルのグルコース濃度の環境とでは,乳がん細胞MCF-7 の動態が異なり,グルコース濃度に依存して,MCF-7 の運動性は亢進し,細胞運動性制御機構にZIP6 あるいはZIP10 が必要であることをノックダウン実験から明らかにした

 

(中略)

 

 乳がん細胞の高濃度グルコース環境による高い運動能の獲得にはZn2+が必要であり,その供給にZIP6 とZIP10 が重要な役割
を果たしていることを明らかにした。

 

(中略)

 

 これまでほとんど考慮されていなかった糖尿病併発時の乳がん治療の標的として亜鉛トランスポーターを見出し,トランスポーターを標的とした糖尿病併発時の乳がん転移診断への応用や,新たな乳がん治療戦略への展開における重要な知見として,これらの研究成果が大きく貢献できると強く考えられる.

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 研究が盛んだという事は、実用化は、随分、先の話ということなのですが、亜鉛トランスポーターなるものが、コラーゲン生成やたんぱく質の安定化、さらには、病気の治療にもつながる重要なファクターであることは、間違いのないところのようです。

 

 で、今回も、亜鉛トランスポーターを活性化させる方法は、論文には書いていないので、やっぱり、代謝をあげて、自ら、亜鉛トランスポーターを活性化させてください。

 

 

代謝の活性化法はこちら

第45回 代謝って何?実は知らない代謝の話とエイジングケアの関係