エイジレスの188回 逆効果なダイエット法!空腹時の運動で痩せる?
前回に続いて、ダイエットについてのお話です。
ダイエットの定番と言えば、運動と低炭水化物ダイエット(糖質制限ダイエット)と言われるぐらい、一般に浸透しています。
しかし、これには、ちょっとした裏がありまして、そのために、ダイエットがうまくいっていない方もいるかもしれません。
ということで、ダイエットがうまくいっていない方のために、気を付けた方がいい身体の仕組みについて、お話します。
空腹時の運動は痩せない!
空腹時に運動すると、体内で利用できる糖が少ないため、代わりに脂肪を燃焼させます。
このため、一時的に、脂肪が減ります。
これが、空腹時の運動でダイエットになるという根拠ですが、実は、この先に、知られざる話があります。
人の身体は、生命を維持するため、非常時には、足りないものを自ら生み出す代謝システムがあります。
一時期、ケトン体ダイエットというダイエット法が話題を集めました。
これも、体内で糖が不足すると、脳の活動に必要な栄養が足らなくなるため、脂肪からケトンという物質を作り出して、それを脳の活動に必要なエネルギー源として使うという体内代謝の仕組みを利用したものです。
但し、この方法はケトーシスというケトン体を作り出せるような身体の状態になるまでに、個人差があるようで、素人考えでやってしまうと、脳が低血糖状態となって、頭がぼーっとしたり、やる気がなくなったり、場合によっては、健康を害する場合もあるとのこと。
なので、挑戦しようと思っている方は、お医者さんの指導の下、行った方が宜しいかと思います。
話を戻しますが、体内に糖が不足した状態で運動すると、足りなくなった糖を補うため、体内では、糖新生という代謝システムが稼働して、インスリン分泌を分泌して、肝臓で糖を作り始めます。
で、結果的に、血糖値が上がってしまうため、運動による脂肪燃焼効果を遥かに上回る量の糖が供給され、ダイエットは失敗・・となります。
糖新生とは
ウィキペディアによれば、
糖新生(とうしんせい)とは、飢餓状態に陥った動物が、グルカゴンの分泌をシグナルとして、ピルビン酸、乳酸、糖原性アミノ酸、プロピオン酸、グリセロールなどの糖質以外の物質から、グルコース(糖)を生産する手段・経路である。
とのことです。
ダイエットの目的の一つに脂肪を減らすというのがあります。
運動やケトン体ダイエットも脂肪を燃焼させるのが目的なのですが、糖新生が稼働すると、糖質ではない他の物質を使って、糖を作り始めるため、脂肪がさほど減らないうえに、血糖値が上昇して、むしろ、太る方向に行ってしまう場合があります。
なので、低炭水化物ダイエットに挑戦中の方は、過度な運動は、むしろ逆効果となることがありますので、注意が必要です。
但し、ダイエット中の運動を否定しているわけではありません。
ちゃんと食事をした後に運動すると、インスリンの分泌が抑えられて、急激な血糖値の上昇が抑えられるので、ダイエット効果が高まります。
ということで、すべてのダイエット法に言えることですが、正しい知識がないままに、上っ面の情報だけでやってしまうと、思わぬ落とし穴があって、むしろ、逆効果なんてことがありますので、きちんとお勉強した上で、ダイエットに取り組まれた方が、宜しいかと思います。
因みに、低炭水化物ダイエット(糖質制限ダイエット)を急にやめると、リバウンドも大きいらしいので、お気を付けください。
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