桜の季節が到来して、山に山菜取りなんて方もいらっしゃる事と思います。

 

 が、間違っても、毒キノコは食べない方がいいですという論文です。

 

 なぜ、ダメかと言うと、毒の成分が、筋肉を溶かして、死に至らしめるからとのことです。

 

-------------------------------------------------

 数名の死者を出したキノコ中毒の原因物質が、単純な小分子であることが明らかにされた。

 

 この中毒に特有の毒物はこれまで知られていなかったが、Nature Chemical Biology(電子版)に発表される知見により、その分子が致死性を示す機序を明らかにするための生物学的実験が可能になると考えられる。

 

 この致死的な分子を突き止めるため、橋本貴美子たちは、どの種のキノコが有害な反応を引き起こすのかを最初に見極めた。

 

 続いて活性分子を単離し、それが炭素原子をわずか4個しかもたない小分子「シクロプロプ-2-エンカルボン酸」であることを発見した。

 

 この物質は、合成化学の研究でこそ利用されてきたものの、生物系で発見されたことはなかった。

 

 しかし、マウスを用いた生物学的試験により、「横紋筋融解」という骨格筋組織の急速な破壊を示唆する重度の生物学的症状を生ずるものであることが確認された。

-------------------------------------------------

 

 横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)は、横紋筋細胞が融解し筋細胞内の成分が血中に流出する症状、またはそれを指す病気のこと。


 重症の場合には、腎機能の低下を生じ、腎不全などの臓器機能不全を発症し、死に至る場合もあるこわーい病気です。

 

 一方、「シクロプロプ-2-エンカルボン酸」というのは、カルボン酸という仲間の物質で、身近なものには、お酢(酢酸)や合成洗剤などがあります。

 

 つまりは、化学的には、比較的簡単な構造の物質で、それほど珍しくもないので、これまでは、ノーマークな物質だったのかもしれません。

 

 しかし、「シクロプロプ-2-エンカルボン酸」は、キノコ2~3本で、致死量にたっするぐらい毒性が強いので、要注意です。

 

 基本的には、酢酸と同じように酸性の物質なので、ハイターみたいな強いアルカリ性の物質(次亜塩素酸ソーダ)で、無害化できます。

 

 が、そこまでして、食べる必要もないので、食べないのが賢明です。

 

 因みに、加熱程度では、分解しないので、火を通したから大丈夫なんてことは、ありません。(燃やしてしまうと、分解しますが、炭になります・・・それでも、食べる?)

 

 

山菜も気を付けて!

 

 キノコ類も危ないですが、山菜による事故も多発していますので、ご注意ください。

 

 厚生労働省のサイトに下記のような情報がありますので、山菜取りに行かれる方は、チェックされた方が宜しいかと思います。

 

 

ご安全に!