126回 腫瘍を抑制する脂質!新陳代謝をアップしてエイジングレス
細胞は、自ら死ぬことで、新しい細胞が生まれることを促進します。
一説には、人をカタチどっている60兆個の細胞のうち、1日に約3000億個が死んで、新たに同数の細胞が生まれていると言われています。(これが、新陳代謝)
但し、この新陳代謝は、加齢とともに機能低下していきます。
一見、細胞が長生きするかのような話ですが、むしろ、新しい細胞が生まれなくなることの方が深刻です。
で、ガン細胞の一部は、機能低下した新陳代謝の隙を伺うように、自らの勢力拡大を図ります。
が、体内には、ガン細胞を増殖させないための仕組みがあって、免疫機能、アポトーシス、オートファジーなど、正常に機能していれば、まず、ガン細胞が増殖できない防衛システムが備わっています。
今回のお話も、オートファジーに関連のある防衛システムの一つです。
(論文は、難しいので、読まなくてもいいです。)
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細胞が自ら死ぬ方法はいくつもあり、自食作用(オートファジー)と呼ばれるプロセスによるものもその1つである。
条件により、自食作用(オートファジー)は、細胞の生存または死という正反対の結果を促進する。
そのように全く異なる細胞の結末を制御するこの事象は、現在のところ解明されていない。
Besim Ogretmenたちは、脂質の一種であり腫瘍抑制因子と考えられているC18セラミドがLC3B-IIというタンパク質と相互作用し、それをミトコンドリアという細胞小器官の膜に結びつけることを明らかにした。
また、ミトコンドリア膜でのLC3B-IIの持続的局在化がミトコンドリアの機能障害、および究極的には細胞死につながることも明らかにした。
さらに研究チームは、C18セラミドの過剰産生がマウスの異種移植腫瘍の増殖を緩徐化させるのに十分であることも指摘した。
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セラミドというのは、脂質の一種で、皮膚の構成物質でもあり、保湿成分として、化粧品なんかにも使われていたりする、割と身近な物質です。
セラミドが不足すると、乾燥肌になったりします。
今回の論文は、そんな身近なセラミドのうち、C18セラミドと言われるものに、腫瘍(ガン細胞)を抑制する効果がみられるというものです。
セラミドが、細胞死を促進することで、新陳代謝も促進させて、腫瘍もやっつけてくれるということです。
ということで、難しい理屈は抜きにして、ひたすら、セラミドの摂取をしてみるのも良いかもしれません。
この時期は、お肌が乾燥していると、お肌のバリア機能が低下して、花粉症でない方も、花粉やPM2.5、黄砂などの影響も受けやすくなります。
<セラミドを含む食べ物>
米(米ぬか)、小麦(小麦胚芽)、大豆、こんにゃく芋、牛乳など多く含まれ、特にこんにゃく芋には米や小麦より7~16倍多いセラミドが含まれるといわています。
このほか、黒豆、小豆、ゴボウ、ワカメ、ヒジキ、ソバ、コーヒー、紅茶、黒こしょうといった「黒色」の食品は、セラミド含有量が多い傾向にあると言います。
1日に必要なセラミドの量は600μg(マイクログラム:百万分の1)といわれています。
一つの食材に偏らないように、少しずつ多品種で摂取するのが理想です。
ガン予防と乾燥肌対策のために、頑張ってください!
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