第107回 iPS細胞が老化をリセット!いよいよ若返りが実現?
コーセーさんが、ヒトの皮膚の細胞から作成したiPS細胞(人工多能性幹細胞)で、老化の痕跡である「テロメア」と呼ばれる染色体の部分の長さが回復していることを明らかにしたと発表したました。
テロメアとは、染色体のしっぽみたいなもので、細胞が分裂するたびに、短くなって、50回ぐらい細胞分裂すると、テロメアは、いよいよ短くなって、細胞は分裂しなくなります。
ということで、テロメアは、老化の指標とも呼ばれています。
で、今回、iPS細胞がテロメアを元の長さにもどすことで、老化による皮膚ダメージをリセットすることが分かったということです。
iPS細胞は、様々な細胞に分化し、増殖する万能性を持つ幹細胞で、ヒトの皮膚などの細胞に遺伝子などを導入して培養することで、未分化の多能性幹細胞に「初期化」できます。
研究で使用したiPS細胞は、同じ人の36歳から67歳の異なる時点で得た皮膚繊維芽細胞です。
元となる細胞とiPS細胞のテロメアを比較すると、iPS細胞のテロメアはどの年齢の時点でも長さが回復していることが分かったとのこと。
(年齢に関係なく、テロメアの長さが回復していた!という図です)
またどのiPS細胞も、表皮を構成する細胞に正常に分化させることに成功。細胞の老化の痕跡が初期化の過程で取り除かれ、iPS細胞の機能にも影響を及ぼさない可能性が示唆されたとしています。
つまり、年を取った皮膚の細胞でも、ピチピチの若い皮膚細胞になるということです。
女性の皆様、遂に究極の若返りです。
そこのおばあちゃん、今からでも、遅くありません。
自分の皮膚細胞が、ピチピチの皮膚細胞になります。
実用化までに、まだ時間が掛かりそうですが、途方もなく先の話ではありません。
頑張って、長生きされてください。
因みに、テロメラーゼという酵素を増やすことで、テロメアを長くすることは、今でもできます。既に、皆さんの体の中にありますので、代謝を活発にして、体内で生合成してください。
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