(前回分と合わせて、お読みください)

 

美白化粧品などで、無理やり美白細胞を作ると、メラニン色素という、紫外線から自らを守る仕組みがなくなって、急速に光老化進みます。

 

 

光老化とは?

老化の原因の主な原因の一つに紫外線による老化があります。老化の多くがが生理老化と言われる加齢による全身の老化現象であるのに対して、紫外線による老化は光老化(主に皮膚の老化)と言われます。


一般に、皮膚の老化の80%は光老化と言われており、美容にとっては、紫外線は大敵です。皮膚が紫外線を浴びると、皮膚の防御機能により、その大半は無害化されるのですが、その代わりにメラニンが増加したり、皮膚が硬くなったりします。


さらに影響が大きいのが、コラーゲンの破壊です。光線性弾性線維症と言われる現象で、重症の場合なかなか元に戻らないやっかいな現象です。

 

原因は、皮膚が紫外線を浴びることによる細胞内の活性酸素の増加にありますので、体内の抗酸化システムが健全な若い方の場合は、それほど心配する必要はありませんが、体内の抗酸化システムも加齢とともに機能低下してきますので、アラフォー以降の方は気を付けたほうが良さそうです。

 

 

メラニン色素は、肌細胞の最後の守護神!

 

前回(第59回)で、美白化粧品が皮膚や肌細胞に与える影響をお話ししましたが、それだけではない影響を与えているのが、メラニンの破壊やメラニン生合成システムの阻害、メラニン生合成組織の破壊などがあります。

 

前述のように、紫外線から、肌細胞のDNAを守る唯一の防御システムがメラニンの生合成です。髪の毛や皮膚に存在するメラニンが紫外線を吸収することで、DNA(遺伝子)を守っているのですが、メラニンの生合成システムの素晴らしいのは、必要なときに必要な量だけ生合成されることです。

 

紫外線の影響が小さくなると、それに応じて、生合成するのを減らすため、夏の海で思いっきり日焼けしても、次第に元に戻ることができます。

 

ところが、美白化粧品は、強制的に薬物を使って、メラニンの生成を阻害し、美白細胞を増やすことによって、見かけの美しさを目指しているのです。紫外線から、肌細胞のDNAを守るのは、メラニン色素しかないというのにです・・・

 

DNAが損傷を受けると、肌荒れなどの肌トラブルになりますし、ひどい場合は、皮膚がんになることさえあります。

 

 

メラトニンとは?

 

メラトニンは、メラニン色素が発生するのを抑制する体内ホルモンです。つまり、美白化粧品で、老化を促進させる必要はなくて、メラトニンを増やすだけで、メラニンの発生を防いで、美白を実現するのです。(※といっても、人ではまだ、効果がきちんと確認されていない現象のようなのですが・・・)

 

因みに、メラトニンは若返りに関係するホルモンでもあります。(詳しくはこちら→第18回 若返りホルモン10種類と老化ホルモン

 

 

<メラトニンを増やす方法>

 

1.たんぱく質をたくさん食べる

メラトニンは、セロトニンという物質から、体内で生合成されます。セロトニンは、トリプトファンという物質から生合成されます。トリプトファンは、肉や魚など、たんぱく質を含む食材に多く含まれています。

 

ということで、タンパク質の摂取に心掛けるとともに、体内での生合成を促すために、体内代謝を活性化させましょう~

(代謝の活性化法は、「第45回 代謝って何?実は知らない代謝の話とエイジングケアの関係」をご覧ください)

 

因みに、トリプトファンは、抗老化物質NMN(ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド)という物質の原料にもなっているので、老化したくない方は、たくさん食べてくださいね。

(詳しくはこちら→「飲むだけでOK!?アメリカで研究が進むエイジングケア成分「NMN」とは?」

 

 

2.朝日をたくさん浴びる

メラトニンは、強い光を浴びた15時間後から分泌が増えて、暗くなるとさらに分泌が高まるらしいので、朝早めの時間帯に朝日をたくさん浴びる(※紫外線カットガラス越しがベスト)と、夜寝る頃に、ドバドバとメラトニンが分泌されて、美白になるかもです。(←責任は持てませんが・・・)

 

朝日を浴びると、ビタミンD2の分泌も増えて、骨も上部になりますし、合わせて、運動をすると、ミトコンドリアが元気になって、オートファジーも活性化されて、代謝も活発になりますので、良いことずくめです。

 

但し、朝ご飯を食べすぎると、ブタになるので、腹7分目を心掛けた方がよろしいかと思います。

 

因みに、メラトニンには、免疫力アップや抗酸化作用などの効果も知られていますので、健康のためにも、増やした方が良さそうです。

 

 

美白細胞を作るための食べ物

 

受け売りですみませんが、「まごはやさしいよ」は、美白細胞作りに良いと思います。

 

まめ ・・・・・ タンパク質、ミネラル、食物繊維
 
ごま ・・・・・ 不飽和脂肪酸、ミネラル
 
こめ ・・・・・ 炭水化物 ※玄米、胚芽精米 ビタミンB群、ミネラル
 
わかめなど海藻類 ・・・・・ ビタミン、ミネラル、食物繊維

やさい ・・・・・ ビタミン、ミネラル、食物繊維
 
さかな ・・・・・ タンパク質、DHA、EPA
 
しいたけなどのきのこ ・・・・・ ビタミンB群、β-D グルカン
 
いも ・・・・・・ ビタミンC、ミネラル(カリウム)
 
ヨーグルトなどの発酵食品 ・・・・・ 乳酸菌、タンパク質、カルシウム

 

 

<美白に良いと言われている化粧品の成分>

 

本当に困っている方で、界面活性剤など、余分な成分が入っていない化粧品なら、お勧めです。

 

・ビタミンC誘導体

 

昔から、ビタミンCの美白効果は有名ですが、欠点は、すぐにビタミンCが壊れること。

頑張っても1か月持ちませんので、普通のビタミンC入りの化粧品は、ほぼ効果がなくなっていると思った方がいいです。

 

ということで、最近、流行ってきたのが、構造が安定している「ビタミンC誘導体」なるものです。ビタミンCを分子レベルで、ちょこちょこっといじって、構造を変化させたもので、実験レベルでは、効果があるようです。

 

但し、濃度が濃ゆいと効きすぎて、かえって悪影響が出かねないので、NMN(ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド)など、細胞内で保湿成分を作り出す成分と一緒に使うことをお勧めします。

 

 

・ハイドロキノン

お肌の漂白剤なんて言われている成分です。

 

元々は医薬品でして、メラニンの生合成を阻害するので、日焼けや大きなシミなど、過度にメラニンが生成された場合のみ、お勧めです。

 

元々、肌が白い人がつけると、カネボウさんにたいなこと(白斑)になるかもしれません。

 

 

・アルブチン

梨などに含まれる天然成分が使われているようです。

 

化粧品業界では、チロシナーゼとして知られている「モノフェノール・モノ・オキシゲナーゼ」という酵素は、メラニンの元になる成分であるチロシンという物質が、メラニンに変化するのを防ぐ効果がある上に、メラニン色素そのものを除去する働きもあるとのことです。

 

天然成分ということもあり、副作用はないようです。季節的に(記事を書いているのは冬です)梨の季節ではありませんが、何処かに残っているようでしたら、今すぐに買い占めましょう!

 

その他、エラグ酸、ルシノール、リノール酸S、コウジ酸、プラセンタエキスなど、メーカー独自の成分も色々あるようです。

 

 

<結論>

 

極端なシミやあざがある方は別ですが、普通の状態の方が、あまり高いお金を出して、リスクの大きい美白化粧品を購入するのは、お勧めではありません。

 

美白効果のある食事を心がけるのが、美白細胞作りにもなりますし、健康にも良いのでお勧めです。(やっぱり、梨は、早めに買い占めておきましょう!)

 

(前回分と合わせて、お読みください)

オールインワン美容食品「NMN ACTIVATOR」
主な成分:NMN,デキストリン,ナイアシン,トリプトファン,サイタイエキス, マリアアザミ,冬虫夏草,ビタミンE,トコトリエノール,ビタミンC,グルコン酸亜鉛,
クロム酵母,セレン酵母,生酵素,酵母,コラーゲン・ヒアルロン酸生合成促成分