先日、運転免許の更新に行ってきました。
書類を提出し、講習の呼び出しを待っていたときのことです。
事務所受付で、空気をビリビリと震わせるような大声が響き渡りました。



「免許証はどこだ!」「どこから軽トラで来たんだ!」
声の主は、いかにも現場叩き上げといった体格の男性警察官。
相手は、自分の住所もあやふやになってしまっている、少しボケた様子のおじいさん。
容赦なく犯人を追い詰めるような思考(尋問モード)で詰め寄るその姿は、パトレイバーの「太田(おおた)」がそのまま現実に出てきたかのよう。



そこへ「まあまあ、落ち着いて」とスッと間に入ったのが、いかにも事務経験が長そうなメガネを掛けた警察官。
激しやすい現場人間を手のひらで転がす、まるで後藤隊長(あるいは進士さん)のような見事な手際で、興奮する隊長をなだめていきます。
実は、その怒鳴っていた隊長さん。
私の受付のときも、事務所側の不手際な案内に対して「おい!案内が違うだろ!」と烈火のごとく怒っていた人でした。常に沸点ギリギリで生きている、まさに特車二課の熱血漢。
メガネ警察官のファインプレーで、ようやくおじいさんへの尋問が収まり、オフィスに一瞬の静寂が訪れた……と思ったその瞬間でした。
――チーン。
時間のチャイムが鳴ったかと思うと、間髪入れずに署内の「朝礼」がスタート。
そして、事務所の中にいる女性警察官の方々も含めた全員の、地響きのような大声が炸裂したのです。
「「「おはようございます!!!!!」」」
さっきまでの殺伐とした怒号のドラマは一体なんだったのか。
怒号、宥(なだ)め、そしてチャイム一発で全員がマックスの元気で張り上げる「おはようございます!」のルーティンへ。
この「お役所としての圧倒的な規律」と「生々しい人間臭さ」のちゃんぽん感。
「あぁ、私は今、間違いなく土浦の特車二課の待合室にいるんだわ……」と、心の中でニヤリとしてしまいました。
緊張するはずの免許更新が、初期パトレイバーの日常回に迷い込んだかのような、最高に濃密でエネルギーをもらえる15分間になりました。