HIV感染の独男性、幹細胞移植で「完治」の研究報告
(CNN) HIV(エイズウイルス)に感染したドイツ人男性に対する幹細胞移植治療が成功し、完治したとみられるとの研究結果を、独シャリテー大学病院の医師らが発表した。ただしこの方法には大きな危険が伴うため、現実的な治療法として採用される可能性は低いとされる。
血液学専門誌の最新号に発表された研究によると、この男性はHIV感染とともに急性骨髄性白血病の診断も受けていた。放射線や化学療法で本人の免疫機能を完全に停止させうえで、2007年2月に幹細胞移植を行い、この時点で抗HIV薬の投与は中止した。
08年3月に白血病が再発したため、同様の手順で幹細胞移植が繰り返された。抗HIV薬を中止して3年半が経過した今年夏の時点で、白血病もHIV感染も再発の兆候はみられず、免疫機能も正常に働いていた。医師らは「HIV感染は完治した」と結論付けている。
このケースで治療が可能だったのは、幹細胞の提供者が、HIV感染への耐性を示す変異遺伝子を持っていたためだ。これは白人の1%にみられ、黒人には例のないまれな遺伝子とされる。
専門家らによれば、事前に免疫機能を停止させる処置には非常に大きな危険が伴ううえ、幹細胞移植自体やその後の拒絶反応で死亡したり苦しんだりする恐れがある。また、この治療には数十万ドルに上る巨額の費用がかかる。
エイズ研究の進歩に伴い、HIV感染と診断されても、適切な治療を受ければ通常の寿命を全うすることが十分可能な時代となった。危険を冒して移植治療を適用するのは白血病などを併発した患者に限られるというのが、専門家らの見解だ。その場合も、患者と適合する提供者を見つけるのは難しく、さらにその提供者がHIV耐性を持つ確率は非常に低い。報告された男性の例は、ごく幸運なケースだったと考えられる
http://www.cnn.co.jp/world/30001236.html