電車
少人数の電車の中にその分光が多く差し込んでいる気がした
向かいの席をみると老夫婦が二人分の間隔をあけて座っていた
その間には外の景色がみえている
二人が体をくねらせて外をみて
「桜は来週までかねえ」
「そうだねえ」
といった
二人の間に満開の桜があった
乗り換えをして椅子に座る
先程の電車より少し人がいた
節電をしている車内はもう5月の人の匂いがした
私のすぐ隣に女の子がいる
一生懸命歴史の資料集を読んでいる
ああこの子が成長して将来もしかしたら考古学に関わるようになるのだろうか
そう思うとなぜかわくわくした、
でも考え直す
それは過大な期待でしかないのだ
今、この時少女は古典物が好き
その少女が私の隣に座っている
そんな日常のなかに私はいる
地震がおきてからランチタイムにしばしば地震の話もでた
なんでも助かった老人が私は老い先長くないからもっと若い子が助かればよかったのに
と言っていたらしい
それを聞いた同期の女性がいう
そんなこと言ってたら始まらない
と
私はそれに乗っかった
人間はポジティブにもネガティブにもなれる
どちらにのっかっているかなんだと思う
どちらにも良いところ悪いところもあれば
どちらにも美点がある
今はそんなこと言ってたら始まらないに
乗りたい自分がいる
のだ