モルフォチョウ ブルーモルフォ
7月下旬にいった多摩六都科学館でみて一目ぼれしたモルフォチョウ。その中でも通称ブルーモルフォといわれるこの蝶の青の美しさ


『生きた宝石』とも呼ばれるモルフォチョウの翅(はね)は、鮮やかな青色をしているが、これは鱗粉表面に刻まれた格子状の構造による構造色である。この構造は青色の光の波長のちょうど半分にあたる200nm間隔に並んでおり、干渉により青色の光のみが反射される。2003年、松井真二(兵庫県立大学高度産業科学技術研究所 教授)らは集束イオンビーム装置を用いて、この構造をシリコン基板上に作り出すことで、モルフォチョウの青色を再現することに成功している。
■人工モルフォ蝶
左の羽:天然のモルフォ蝶の煌めき
右の羽:コロイド粒子の移流集積によって形成された人工のモルフォ蝶の煌めき
永山 国昭(東京大学教養学部)
発色の秘密は不思議な微細構造にあり
モルフォ蝶(写真1)は、南米に生息する大型の蝶です。眩(まばゆ)いほどの青い色は、他に類を見ないとまで評されていますが、色素による色ではありません。
その発色の秘密は、モルフォ蝶の羽根の表面にあります。表面は、μm(マイクロメートル=100万分の1m)オーダーの微細な鱗(うろこ)状の「鱗粉(りんぷん)」で被われていますが、その鱗粉が非常に不思議な構造をしているのです。鱗粉は、蝶を捕まえた時に手などに付くあの粉です。モルフォ蝶の鱗粉には、超微細な格子状の溝が等間隔で多数刻まれていて(写真2)、それぞれの溝の側面には図1のような棚状の襞(ひだ)がついているのです。
この襞がポイントで、何段もの襞の働きによって青色の波長の光だけが反射され、青く見えるのです。光は、波の性質を持っているので、海の波と同じように互いに強め合ったり、逆に弱め合ったりする性質(「干渉」と言います)があります。この干渉が襞によって起こり、青の光だけが強め合って眩いほどの色になるという仕組みです。
モルフォ蝶の色に科学者が興味を持ち出したのは古く、20世紀初め頃からとされています。しかし、襞構造が分かったのは電子顕微鏡が登場してからで、その構造を人工的に再現した例はこれまでありませんでした。
松井教授は「モルフォ蝶は何億年もかけて今の構造を作りました。その構造を作って本当に同じ色が出せるか確かめたかったのです」とチャレンジした理由を語っています

写真2 モルフォ蝶の鱗粉の表面
1個の鱗粉の一部分を写した電子顕微鏡写真です
鱗粉の断面構造のイメージ図
ヴィクトリアン期に南米からヨーロッパに持ち帰られて人々に知られる所となり、余りに美しい羽を持つ故にこの様にアクセサリーにまで加工され、一般に流通した…といったところでしょう。
色合いも深海の濃い青から薄い水色や淡いラベンダー色まで、実に様々な青色で存在しますが、天然の物故に一つ一つが違う物で、意外と全てが美しい青色で出来ている物は少ない様です。
日本でもインテリア雑貨として、羽を並べたお皿等をかつては見かけましたが、なぜかアクセサリーでは一時期のヨーロッパでしか見かけません。
特にイギリス製の刻印の物が多く有るようですので、多分これを造るアクセサリー・カンパニーが有ったと思われます。
羽を枠に合わせて切ったりするのにとても手間がかかったと思われますので、特殊な技術が必要だったのかもしれません。
今この蝶は一切の採取が出来無い故に古い物でしか見かける事が出来ず、特にアクセサリーでは一部に熱狂的コレクターが存在する品物です。

モルフォチョウの碧い輝き―光と色の不思議に迫る



『生きた宝石』とも呼ばれるモルフォチョウの翅(はね)は、鮮やかな青色をしているが、これは鱗粉表面に刻まれた格子状の構造による構造色である。この構造は青色の光の波長のちょうど半分にあたる200nm間隔に並んでおり、干渉により青色の光のみが反射される。2003年、松井真二(兵庫県立大学高度産業科学技術研究所 教授)らは集束イオンビーム装置を用いて、この構造をシリコン基板上に作り出すことで、モルフォチョウの青色を再現することに成功している。
■人工モルフォ蝶
左の羽:天然のモルフォ蝶の煌めき
右の羽:コロイド粒子の移流集積によって形成された人工のモルフォ蝶の煌めき
永山 国昭(東京大学教養学部)
発色の秘密は不思議な微細構造にあり
モルフォ蝶(写真1)は、南米に生息する大型の蝶です。眩(まばゆ)いほどの青い色は、他に類を見ないとまで評されていますが、色素による色ではありません。
その発色の秘密は、モルフォ蝶の羽根の表面にあります。表面は、μm(マイクロメートル=100万分の1m)オーダーの微細な鱗(うろこ)状の「鱗粉(りんぷん)」で被われていますが、その鱗粉が非常に不思議な構造をしているのです。鱗粉は、蝶を捕まえた時に手などに付くあの粉です。モルフォ蝶の鱗粉には、超微細な格子状の溝が等間隔で多数刻まれていて(写真2)、それぞれの溝の側面には図1のような棚状の襞(ひだ)がついているのです。
この襞がポイントで、何段もの襞の働きによって青色の波長の光だけが反射され、青く見えるのです。光は、波の性質を持っているので、海の波と同じように互いに強め合ったり、逆に弱め合ったりする性質(「干渉」と言います)があります。この干渉が襞によって起こり、青の光だけが強め合って眩いほどの色になるという仕組みです。
モルフォ蝶の色に科学者が興味を持ち出したのは古く、20世紀初め頃からとされています。しかし、襞構造が分かったのは電子顕微鏡が登場してからで、その構造を人工的に再現した例はこれまでありませんでした。
松井教授は「モルフォ蝶は何億年もかけて今の構造を作りました。その構造を作って本当に同じ色が出せるか確かめたかったのです」とチャレンジした理由を語っています

写真2 モルフォ蝶の鱗粉の表面
1個の鱗粉の一部分を写した電子顕微鏡写真です

鱗粉の断面構造のイメージ図
ヴィクトリアン期に南米からヨーロッパに持ち帰られて人々に知られる所となり、余りに美しい羽を持つ故にこの様にアクセサリーにまで加工され、一般に流通した…といったところでしょう。
色合いも深海の濃い青から薄い水色や淡いラベンダー色まで、実に様々な青色で存在しますが、天然の物故に一つ一つが違う物で、意外と全てが美しい青色で出来ている物は少ない様です。
日本でもインテリア雑貨として、羽を並べたお皿等をかつては見かけましたが、なぜかアクセサリーでは一時期のヨーロッパでしか見かけません。
特にイギリス製の刻印の物が多く有るようですので、多分これを造るアクセサリー・カンパニーが有ったと思われます。
羽を枠に合わせて切ったりするのにとても手間がかかったと思われますので、特殊な技術が必要だったのかもしれません。
今この蝶は一切の採取が出来無い故に古い物でしか見かける事が出来ず、特にアクセサリーでは一部に熱狂的コレクターが存在する品物です。


モルフォチョウの碧い輝き―光と色の不思議に迫る

