「瀬戸マイセン」という検索ワードで、
このブログにいらっしゃる方が多いので、
今日は瀬戸マイセンについて、ちょっと書いてみようかと思います。
瀬戸マイセンというのは、ものすご~く簡単にいってしまうと、
大正~昭和50年代くらいまでに瀬戸で作られた、
マイセン風のノベルティのことです。
あ・・・ノベルティというのも、馴染みのない言葉ですね。
陶磁器製の置物や装飾品などを総称して
「ノベルティ(Novelty)」といいます。
日本ではあまり陶器の置物を飾る習慣はありませんが、
西洋では、マイセンなどの高級ノベルティを飾ることが、
そのころはステイタスとされていました。
(今でもそうかな)
でも、これらの高級品を手に入れられるのは上流階級だけで、
中流のものにとっては高嶺の花。でも欲しい!
そこに目をつけたのが、ノリタケの創設者の森山氏ら日本人です。
瀬戸の高度な技術によって作られたノベルティを、
安価な価格でアメリカに輸出し始めました。
安いとはいえ、マイセンに劣らないできの瀬戸のノベルティは、
もちろんアメリカで大人気に。
さすが!「ブラボ~日本人」ですね。
第一次世界大戦で、ドイツからアメリカへのノベルティの供給が途絶えると
ますます人気が上がりました。
その後、第二次世界大戦で、
輸出中心の瀬戸のノベルティは製造されなくなりますが、
終戦後また生産が始まり昭和30~50年代が最盛期になります。
その後、円高によって、瀬戸ノベルティは、産業として成り立たなくなってしまいました。
瀬戸ノベルティの中でも、終戦後すぐ作られたものを、オキュパイドジャパンといい、
この時代限定のコレクターさんもたいへんたくさんいらっしゃいます。
いずれにしても国内で完全な形で残っているものは、
とても少ないです。
うちにも何体かありますが、
このフリルのひらひらなんかは、ちょっとした衝撃で割れちゃいそうだし、
無傷が少ないというのはうなずけますね。
骨董市などでときどき見かけるけど、
この写真のクラスで、たいていは10,000円前後のかわいくない価格がついています(^^;
