やや小型のグレシャム（丸形柱時計）「Victory」、昭和初期に製造された物です。
文字盤に「Victory」の銘がありますが、後年の高野時計（高野金属品製作所）の物とは字体が違うので同名の別メーカーの製品だと思われます。
背面の「AICHIKEN CLOCKMAKERS’UNION’S MARK」（愛知県時計製造共同組合）のラベルの跡（ラベル自体はほとんど剥がれています）が一番小さいサイズの物という事から、製造年を昭和初期と推測しました。
ムーブメント（機械）には「MEMAKEIA CLOCK Co.」という刻印がありましたが、正確な社名は不明です。
全体の形状は『グレシャム』と呼ばれる丸型のタイプです。
※「グレシャム」とは丸い時計の枠の後ろに機械の入った四角い箱を背負ったタイプの時計の事で、箱が無く丸い枠が背面まで通った（＝平たい円柱状の）タイプの物は「トーマス」と呼ばれます。
平均的なサイズよりも小さめな八吋（直径約24cm）の文字盤です。
各部に経年による傷や文字盤の痛み等はありますが、木目を活かした本体には目立つような大きな傷や木の収縮に寄る隙間・ひび割れ等もほとんど無く、全体的な程度としては良い状態だと思います。
時打は正時（0分）に時刻の数、やや高めの「ゴーンゴーン」という音色で鳴ります。
分解整備済みで巻き鍵も付属します。
精度は季節（気温）やゼンマイの巻き始めと解ける寸前でも変わりますが、きちんと調整すれば平均して±0から2-3分以内／日で作動しますので、充分日常的に使用する事が出来ます。
サイズ／直径（高さ／幅）：約37cm 奥行：約11cm
（いずれも最大部）
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