こんばんは。
前回の記事はこちら。↓
今回は双極性障害について書きたいと思います。
まず、躁(そう)病について。
躁病とは、うつ病の逆の症状が出る病気です。
気分が異様に高まり、行動的で社交的、万能感や優越感などを伴います。
睡眠が十分にとれなくても気にならず、多弁になり、一つのことに集中できません。
また、衝動買いや、多額の借金をしてまで浪費してしまうこともあります。
一方で、思い通りにならないとイライラしたり、暴言を吐いたり、中には辞表を提出したり、離婚をしまうことも。
それらの特徴から、社会的な信頼を失ったり、経済的に困窮する害があります。
で、その躁病にも2種類ありまして、1つは「躁病」、もう1つは「軽躁病」と言います。
躁病は、上述した症状の酷いもので、軽躁病は躁病の程度が軽いものです。
前回記事に紹介した「うつ病」と「躁病」を繰り返す病気を、「双極Ⅰ型障害」、「うつ病」と「軽躁病」を繰り返す病気を「双極Ⅱ型障害」と呼びます。
厳密には、うつ状態と躁状態(軽躁状態)のほかに、うつでも躁でもない状態の「寛解期(かんかいき)」、うつと躁の状態が混じった「混合期」と呼ばれる状態もあります。
ややこしいですね。
字面から見ると、双極Ⅰ型障害よりも、Ⅱ型の方が「軽躁病」ということで軽いように思われますが、Ⅱ型の方がコントロールし難いと言われています。
どちらも社会的信用をなくしたり、自殺の危険が伴うのは変わらないので、どっちがより大変ということではなく、どちらも大変です。
病気は何でもそうですが、早い方が治りやすく、症状も軽いです。
ですが、双極性障害は長期間放置されやすい病気なのです。
というのも、ほとんどの方が最初から双極性障害と診断されずに、うつ病と診断されます。
何故かというと、皆さんはどんな時につらいと感じますか?
憂鬱で、怠く、何もやる気がしなくて、眠れないもしくは眠りすぎる、悲観的になって死にたくなる、こういう時はつらいですよね。
では、活動的で社交的、何でもできる気がしてアイデアが次々と浮かぶ、イライラすることもあるけど、元気いっぱい、こういう時は絶好調だと思うのではないでしょうか。
察しの良い方はもうお分かりだと思いますが、前者はうつ状態、後者は躁状態です。
病院に行くときは、つらい症状が多い「うつ病」の時に行く人が多いです。
で、医者に症状を話すときも、つらい症状「うつ病」の症状を主に述べることと思います。
大多数の人は、躁病の時には調子がいいと感じ、病気ではないと考えます。
ですから、医者に伝わるのはうつ病の症状だけということになります。
当然、医者も千里眼など持ち合わせていないので、「うつ病」と診断します。
それで、長い間病気が続くわけです。
当然です、うつ病ではないのですから。
そのうちにいろんな話を聞いていて、医者も「おや?」と思い詳しく話を聞くと、初めて「双極性障害」と診断されるわけです。
その期間は平均7年から8年かかると言われています。
したがって、治療も大幅に遅れるわけです。
双極性障害にうつ病の症状も入っていますが、治療法が全く違うのです。
うつ病に使われる「抗うつ薬」は、双極性障害の患者に投与すると、うつから躁へ転換してしまう「躁転(そうてん)」を起こします。
さらに、抗うつ薬や治療をしないと、うつ状態と躁状態を1年に4回以上繰り返す「急速交代化(ラピッドサイクリング)」を引き起こします。
また、躁状態の期間よりも、うつ状態の期間の方が長い傾向にあります。
一般的には、双極性障害に使われる薬は、「気分安定薬」と「非定型抗精神病薬」と呼ばれる薬を処方されます。
大雑把に言うと、うつ病に使われる「抗うつ薬は」うつ症状の改善に効果を発揮します。
「気分安定薬」と「非定型抗精神病薬」は、うつ状態と躁状態の幅を小さくするものです。
しかしながら、精神疾患というのは「この人はうつ病」「この人は双極性障害」とはっきり分かれているとは言い難く、他の色々な症状を伴っていることがほとんどだと思います。
なので、出された薬が間違ってる、という判断は軽率すぎます。
疑問がある場合は、医師にちゃんと聞いて相談してみてください。
だいぶ間が空いてしまいましたが、これにて「うつ病と双極性障害」の記事を終わります。
前回も書きましたが、できるだけ正確に書いたつもりです。
が、ここに含まれていないこと、間違っていることもあるかと思います。
正しい情報を詳しく聞きたいならば、やはり主治医に相談してみることをお勧めします。
お付き合いくださり、ありがとうございました。(∩´∀`)∩