シリーズ    
国民の税金で肥え太る   政財官の腐敗のトライアングル

 権威主義的官僚政治

 「日本の日常行政活動において、官僚、とくに大蔵省、通産省、建設省、内閣府の官僚は、明らかに理論的に認められた以上の権力を行使する。官僚はさまざまな制限と規制を駆使して、経済発展を推し進める。法案も、ほとんど、彼らがつくる。このことは、実質的な権力ということからいえば、かなり重要なことだ。彼らが作った法案には、7ほぼまちがいなく、国会の承認印がポンと押される。そして、成立した法律を、官僚がもう一度自分が温めている計画目標達成の手段として使うわけだ。官僚の、この非公式の権力には歯止めがない。」(カレル・ウォルフレン)

 政治の思い舞台には政治家が顔を出してはいるが、政策決定における全般的な支配力は官僚が握っている。では、官僚の中で実権を握っているのはだれかというと、それが不明瞭だ。政治家が責任を取り、官僚は雲隠れして、責任回避ができる仕組みになっている。追い詰めようと思うと、人事異動でその部署からは消えている。あるいは、議員のポストとして議席を確保するか、天下り先で数台の給料を手にして、涼しい顔でほくそ笑む。これが、我が国の実態のひとつでもある。