あの日
ながれる雲の下
あなたが口にした花の名を
僕は思い出す

黄色い淡いあわい花
僕がそっとさわっても
手の中で
消えてしまいそうな

あの頃
僕はなにも知らなかった

あなたがあしたには
遠くの街に行ってしまうことも

あなたがほんとうは
ぼくを必要としていないことも

ただ無邪気に
僕は
あなたのまわりで
はしゃいでいた

今日
風が吹き抜ける
林の中で

あなたが口にした
花に出会った

ときどき雲の間から差し込む
さびしい光をあびて
あの草むらに
咲いていた