NANA side


昼休みの用事が長引いて放課後まで担任に呼び出されるとは……

みるきーに待っとってもらうように
朱里ちゃんに頼んで言ってもらったけど…

待ってくれてるんかな?


あぁ、そんなことより早く終わって…。


…数十分後…

タッタッタッタッ
「話長いねん…ほんまに…もう!!」

やっと終わって、
すれ違う先生達に走るなって注意されつつも
そんなんシカトで全速力で走って教室まで向かう。

教室の前まで来て、ドアの前で一旦深呼吸…


「ふぅ…」


ガラガラガラ…


「みるきー?」

「すぅ…Zzz……」


「…寝てる、」


窓から差し込む夕日に照らされたみるきーは
綺麗で、尊くて、、

起こそうと伸びた私の手は、触れる直前で止まっていた。


「…何で泣いたん?」

頬には涙のあとが残ってて…
小さい声でそう問いかけた、

触れたいけど、触れられない。
少しでも触れれば、壊れてしまいそうで。


と、


「…ん…菜々ちゃん」

「うん。遅くなってごめんな、待っててくれてありがとう」

「…ごめんなさい」

「ううん、私の方こそごめんな、」

「菜々ちゃん悪くないねん…私が勝手に1人で…全部…」


みるきーはそう話しながらどんどん俯く。
手はぎゅっと固く握って、
すんすんと鼻をすする音が聞こえてくる。


「何で泣くんよ、」

「…っ…愛菜くんのこと…好きなん?」

「え、愛菜?」

みるきーの口から愛菜の名前が出てきたのにはびっくりした。


「あのな、私、菜々ちゃんが好き…ごめんな、引くやんな…男の子の方がいいやんな…」


「えっ」


嘘やと思った、
と同時に嬉しかった。
両思いやって…

みるきーが好き。
引くわけない、
心の中では大声で叫んでるのに
こういう時に限ってなかなか上手く言葉にならんくて

「ごめんな菜々ちゃん、私帰るな…」

そう言って席を立ったみるきー、

あかん、止めな。


「待って、みるきー聞いて、」

「…いやや」

「お願い、」

「…」

「ふぅ…。私、引かへんよ?愛菜の事好きちゃうし、私の好きな人はみるきーやで?」

「…。」

「何か言ってや…笑」

「…それ嘘や」

「なっ…ほんまやって、ほんまの好きやねん。やからみるきーに言われて嬉しかったし、」

「…嘘ちゃうん?」

「だいぶ本気やけど…。」

「うぅ…」

「もー、泣かんといてや…」

下唇を噛んで涙をぼろぼろ流しながら泣くから
可愛くて愛しくなって、
困った感じで笑って控えめに両手を広げて
おいで?って言ったら
言われた通りまっすぐ歩いてきて…

「菜々ちゃん…」ギュッ
「嬉しいで?みるきー、…付き合ってくれますか?」
「うん…!」


「さっ、帰ろっか、」
「ん。帰る〜」

手繋いで、誰もいない校舎を歩いて外に出ると
もう空は、オレンジ色から黒に変わる途中で
街灯も付き始めてた。


「めっちゃ遅なったな、」
「菜々ちゃんのせい〜」
「えぇ…笑」


ほんのさっきまで泣いとったくせに
得意の笑顔でへらへら笑うみるきー。


「なぁ菜々ちゃん、」
「ん〜?」
「泊まっていい?」
「今日?」
「うん」
「久々やな、いいよ」
「えへへ、やった〜」


今日、子供みたいな可愛い彼女ができました。